外国税額控除の
を計算する際の
について、留意点を解説します。
控除限度額
外国税額控除の控除限度額は、以下の計算式で算出されます。
これにより、日本で支払う法人税額のうち、二重課税となる国外所得に係る部分を計算します。
このときの国外所得金額とは、以下のいずれか小さい金額です。
所得金額の90%を限度としているのは、その法人のすべての所得が国外所得であるような場合であっても、10%程度は国内の本店で発生したものとみなし、日本で課税するためです。
国外源泉所得に係る所得金額
国外源泉所得には、まず
が挙げられます。
具体的には
が該当し、その支店がその国で納税している場合には、外国税額控除の適用が考えられます。
外国の支店が2以上ある場合は、その所得金額を合算します。
したがって
というような場合には、相殺して
が、国外所得金額になります。
なお、外国子会社の所得は国外所得金額には含まれません。
次に、国外源泉所得の代表的なものとして
があります。
を受け取り、外国で源泉徴収されている場合には、外国税額控除の適用が考えれらます。
外国からの配当金については、まず現地で外国税額が源泉徴収され、日本の証券会社を通した場合等には、その残額からさらに日本の所得税額が源泉徴収されます。
このときの国外所得金額は
に加え、外国源泉徴収税額として
と、源泉徴収所得税額等として
を足し戻した金額になります。
いずれも、損金不算入額として別表四で加算する金額です。
ただし
からの配当については、外国税額控除とは別の規定があり、例外的な取り扱いになります。
この外国子会社からの配当については、その95%が益金不算入となります。
したがって、益金算入となった5%分が国外所得金額に含まれることになります。
その他の国外源泉所得としては
など、すべて含めると16種類以上の所得が該当し、いずれも外国税額控除の控除限度額を決定するための重要な金額になります。
おわりに
外国税額控除の控除限度額を計算する際の
の留意点を解説しました。
国外源泉所得の判定や計算は複雑ですが、外国税額控除の金額に影響し、二重課税を排除する重要な金額になりますので、漏れのないように確認しましょう。