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適格請求書発行事業者の申請書にあの質問が…。日本語のYesNo問題

雑記
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適格請求書発行事業者の登録申請の際に

国税庁(e-Tax):適格請求書発行事業者の登録申請画面(抜粋)
  • 消費税法に違反して罰金以上の刑に処せられたことはありませんか。

という確認事項があります。

お客様や同僚に外国の方がいらっしゃる方は、これを見て一瞬

ううむ…。

と思ったのではないでしょうか。

日本語の「はい」「いいえ」問題と、それにまつわるおもしろエピソードをご紹介します。

「はい」「いいえ」問題

冒頭にご紹介した

  • 消費税法に違反して罰金以上の刑に処せられたことはありませんか。

という確認事項。

国税庁(e-Tax):適格請求書発行事業者の登録申請画面(抜粋)

回答の選択肢は「はい」か「いいえ」で、「はい」でなければ申請が却下されてしまう可能性がある重要な確認事項です。(「いいえ」の場合には追加の質問があります。)

この確認事項(質問)と「はい」「いいえ」の選択肢ですが、外国語だと逆になる場合が多いですよね。

それを憂慮したのか、わざわざカッコ書きで

  • 「ない」ときは「はい」
  • 「ある」ときは「いいえ」

という説明が付いています。

e-Taxで申請する場合の画面は上記のとおりですが、書面の場合も、国内事業者用の記載例には同様の説明が付記されています。

国税庁:適格請求書発行事業者の登録申請書(国内事業者用)の記載例(抜粋)

また、国外事業者用の申請書にも同じ質問があります。(記載例は見つけられませんでした。)

国税庁:適格請求書発行事業者の登録申請書(国外事業者用)(抜粋)

国税庁の各種書式には、外国語版や外国語訳が付されているものもありますが、日本語のものしかない場合もあります。

そういった書類を日本語を話さない方に確認してもらう場合には、自身で外国語訳を付すこともあると思います。

そのときに

  • 否定形の質問で、回答の選択肢が「はい」「いいえ」

のものがあると、質問と回答を訳した上で

日本語では「はい」が「No」で「いいえ」が「Yes」で…

うんぬんかんぬん…

と追加の説明が必要なことがあります。

ややこしくなるので「はい」「いいえ」を訳さず省略しようとしたりすると、字面だけは知っていて

「はい」って「Yes」のことだろ?

「Yes」にチェックが入ってるじゃないか!

違反したことなんてないはずだぞ!!

なんて可能性も…。

条文の言い回しの関係などで、否定形の質問で書式を作成しなければならない場合もあると思います。

ですので、質問は否定形でも構いませんが、回答の選択肢が「ある」「ない」とかならよいのになと思うことがよくあります。

日本に住んでいたり、日本でビジネスをしていたりするんだから、日本語の「はい」「いいえ」問題ぐらい知っておいてほしいと思う方もいるかもしれません。

日本での手続きなんだから日本語の書式だけで十分だと思う方もいるかもしれません。

でも逆に、外国で少し難しい手続きをするときに、母語や得意な言語のものが用意されていたら嬉しいですよね。

特に公的機関の書類は、母語でも難解なときがあります。

多言語のわかりやすい書類がもっと増えるといいなと思います。

YesNoおもしろエピソード

ドイツでクラスメイトとランチに行ったときのことです。

デザートのショーケースが少し離れたところにあったので、フランス人の友人が

デザート見てくるよ。

と、側の数人の注文を聞いてショーケースのところへ行き、遠くから私に向かって

M子はデザートいる?

とたずねてくれました。

おなかいっぱいだった私は

ううん(首を振りながら)いらない。

了解!

と、他のクラスメイトの注文を続けるフランス人の彼。

もう一度遠くから

M子はいらないんだよね?

と確認してくれました。

うん。(うなずいて)

えっ、いるの?

ううん。(首を振りながら)

いらないんだね?

うん。(うなずいて)

えっ!?いるの!?いらないの!?

激しい困惑顔で走り寄ってくる彼…。

ハッ!ごめんごめん!!

日本語ではね、「はい」が「いいえ」で「いいえ」が「はい」で…

あー!聞いたことあるー!!

ちなみにドイツ語では、Ja(Yes)とNein(No)だけでなく、Dochもあります。

否定形で質問されて、回答が肯定(否定の否定)のときはJaではなくDochです。

チンプンカンプン???

このフランス人の彼はマルチンガルで、仏・伊・英・西・独・露などが話せます。

日本や日本語にも興味を持ってくれて、のちに日本にも遊びに来てくれるのですが、当時から

僕の名前はカタカナでどう書くの?

漢字って書き順決まってるの?

などと質問してくれたりして、多文化に精通しています。

そんな彼なので、すぐに理解してくれて事なきを得ましたが、実際には

ケーキいる?

いらなーい。

いらないんだね?

いるー。

えっ、いるの?

いらなーい。

いらないんだね?

いるー。

おちょくっとんのかわれー!

となりかねない問答です。(笑)

日本人の友人がいる外国人のクラスメイトとも、二人で会話しているときに

うん!(うなずいて)

・・・

・・・

ハッ!Nein!Nein!

やっぱりー!

逆なんだよね?

〇〇ちゃんもよくやるよー(笑)

と言われたり。

授業中に、すごくじっくり考えて

Nein…

と言いながらうなずいたら、先生にニヤニヤしながら

Nein(首を振りながら)

と言われたり。(言葉は正しいですが、ジェスチャーが間違っていた例です。)

意地悪をされたのではなく、日本や日本人に興味津々で、聞いていた通りの言動をしたので大喜びだったようです。

この先生ものちに日本に遊びに来てくれるのですが、もしかして実験されたのでは!?と思うぐらい、長くて難しい否定文の質問でした。(笑)

ドイツの航空会社で働く人には

日本人はNoと言いながらうなずくからどちらかわからないの…

と悩んでいた人もいるそうです。

おわりに

外国語を習うときによく言われることですが、質問に答えるときは、ジェスチャーや「はい」「いいえ」だけでなく、きちんと文章で話したいですね。

本来はたくさん話すための助言ですが、日本人としては誤解されないためにも…。(笑)

また、最近では日本人でも、子どもの頃に外国に住んでいたりインターナショナルスクール育ちだったりが原因なのか、はたまた単なるジェネレーションギャップなのか、YesNoが反対なのかなと思う人もいます。

先日読んだ日本語の小説でも「いいえ」がNoの意味で使われている場面がありました。

きちんとした出版社の書籍なので、校閲でOKだったということだと思います。

言葉は時代とともに変化していくものです。

今回ご紹介した申請書では、今のところ元来の「はい」「いいえ」の解釈で合っているようですが、いつか日本でも諸外国に合わせて逆になる日がくるかもしれません。

今後も、YesNoは安易に判断せず、よく読んで回答するようにしようと思います。

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