地域未来投資促進税制と神戸市の地域特性を生かす8つの産業分野

税金
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この度の税制改正で、拡充および延長となった

  • 地域未来投資促進税制

の概要と

  • 神戸市

における

  • 地域経済牽引事業
  • 地域特性活用分野

をご紹介します。

地域未来投資促進税制の概要

地域未来投資促進税制は

  • 地域未来投資促進法

に基づく支援措置のひとつで

  • 地域の特性

を生かして

  • 高い付加価値

を創出し、地域に経済効果を及ぼす

  • 地域経済牽引事業

の計画に従って

  • 建物や機械等の設備投資

を行う場合に

  • 特別償却(最大50%)
    または
  • 税額控除(最大6%)

を受けることができる制度です。

適用を受けるためには、都道府県または市町村の

  • 基本計画

に基づき

  • 地域経済牽引事業計画

を作成し、都道府県知事の承認を受ける必要があります。

その上で、国(主務大臣)による課税特例の確認を受けます。

課税特例の要件は、資産の種類や類型によって分かれていて

  • 機械装置・器具備品

の場合は

  • 特別償却:35~50%
  • 税額控除:4~6%

ですが

  • 建物・付属設備・構築物

の場合は

  • 特別償却:20%
  • 税額控除:2%

です。

手続きについては、多くの特例措置と同様に、その順序に注意が必要です。

工事の着工は

  • 計画承認後

資産の取得は

  • 確認書交付後

でなければ対象となりません。

主務大臣による確認申請は、エントリーや申請書の提出に随時締切があります。

事前にしっかりと計画を立てて、手続きを進めていきたいですね。

神戸市の地域経済牽引事業

地域経済牽引事業の承認要件には

  • 地域特性の活用
  • 高付加価値の創出
  • 経済効果

の3つがあります。

神戸市の基本計画では、活用すべき地域特性の分野として

  • 成長ものづくり
  • 医療・福祉・ヘルスケア
  • 物流
  • 環境・エネルギー
  • デジタル
  • 食関連
  • 観光・スポーツ
  • クリエイティブ産業

の8分野が挙げられています。

高付加価値の創出としては

  • 付加価値増加分:5,284万円超

経済効果の見込としては

  • 売上:5%以上増加
    または
  • 雇用者数:2%以上増加

が要件となっています。

神戸市の地域特性活用分野

それでは、神戸市の

  • 成長ものづくり
  • 医療・福祉・ヘルスケア
  • 物流
  • 環境・エネルギー
  • デジタル
  • 食関連
  • 観光・スポーツ
  • クリエイティブ産業

の各分野を見ていきましょう。

成長ものづくり

1つ目は、神戸市の

  • はん用・生産用・業務用機械製造業
  • 輸送用機器製造業
  • 電気機械器具製造業 等

の産業の集積を活用した

  • 成長ものづくり分野

です。

神戸市では古くから、港を中心とした港湾関連産業とともに、製造業が発展してきました。

造船や鉄鋼などの重工業を担う大企業と、その大企業との取引を通じて、高い技術を磨いてきた中小企業が集積しています。

製造業の1事業所あたりの純付加価値額は、全国でも高水準を誇り、地域経済にとって欠かせない産業となっています。

市街地の周辺だけでなく、臨海部と内陸部で産業団地の整備を進め

  • 航空・宇宙
  • 海洋
  • 健康・医療・福祉
  • 水素
  • ロボット

などの分野で、新たなものづくりへの挑戦に取り組んでいます。

中でも、航空・宇宙関連産業を戦略産業に位置づけ、中小企業の設備投資や試作開発に対して、重点的な支援を行っています。

「ものづくり」でなく「成長ものづくり」です。

単なる製造活動に留まらず、産業の革新と発展を追求し、高付加価値を生む製品や技術を創出することを目的としています。

「成長ものづくり」は、地域経済牽引事業の柱であり、地元経済の活性化と国際的な競争力の強化を目指しています。

医療・福祉・ヘルスケア

2つ目は、神戸市の

  • 先端医療の研究機関
  • 高度専門病院 等

の医療関連産業の集積を活用した

  • 医療・福祉・ヘルスケア分野

です。

神戸市で「医療」と聞くと

  • ポートアイランド

が思い浮かびますね。

震災復興事業として始まった

  • 神戸医療産業都市

の構想により、産学官医の連携のもと、先端医療の研究機関、高度専門病院群、企業や大学の集積を進めてきました。

その結果、25年経過した現在では、国内最大級のバイオメディカルクラスターとなっています。

その中のひとつ、理化学研究所は、本意ではありませんが

○○○○細胞はあります!

で有名になったかもしれません。

2位でもいいのですが、数年前に1位になったことがある

  • 富岳(スーパーコンピュータ)

もここにあります。

神戸医療産業都市では、再生医療や手術支援ロボットの開発など、革新的な医療技術が進んでいます。

スタートアップ支援も手厚く、企業や団体が進出しやすい環境が構築されています。

物流

3つ目は

  • 神戸港
  • 神戸空港 等

の交通インフラを活用した

  • 物流等分野

です。

神戸市は、古くからの

  • 港町

で、大型コンテナ船の入出港が可能な神戸港では、日夜世界中と輸出入貿易が行われています。

  • 大量の巨大コンテナ
  • 牽引車両(トレーラー)
  • ターミナルのキリン(クレーン)

などは、神戸市民なら見慣れた光景ですね。

また、神戸空港では、国際チャーター便の運用開始や国際定期便就航を予定しています。

今後、プライベートジェットの受け入れも推進していくことになっており、国際化による更なる成長が見込まれています。

そして、海路と空路に加え、道路や鉄道といった陸路でも、神戸市は日本の東西南北への結節点となっています。

企業誘致に際し掲げられた、神戸進出の6つ魅力の中でも

  • 交通アクセスの利便性

は、2番目に挙げられています。

経済規模はそれなりに大きいですが、都心部がコンパクトであるところも強みですね。

環境・エネルギー

4つ目は

  • 水素
  • 水処理 等

における大学や企業等の知見を活用した

  • 環境・エネルギー分野

です。

神戸市では

  • 水素スマートシティ神戸構想

を掲げ、地球温暖化防止の重点施策のひとつとなっている

  • 水素エネルギーの利用促進

に取り組んでいます。

都市型の水素ステーションを稼働させ、燃料電池自動車(FCV)のための、環境整備や普及啓発を行っています。

水処理の分野では、高い技術を有する地元企業が集積し、国際貢献や技術の継承などを目的に、地元企業の海外展開を支援しています。

水といえば、かつて神戸市には

  • 水の科学博物館

という施設がありました。

市内の小学生に配られる

  • のびのびパスポート

の対象施設になっていて、来館した記憶があります。

ただ、当館は、コロナ禍の影響もあったようで、残念ながら閉館してしまいました。

けれど、神戸市にはもうひとつ

「科学」といえばあそこ!

という、小学生におなじみの場所があります。

それは

青少年科学館です。

こちらも、のびのびパスポートの対象施設で、夏休みに毎年行っていました。

プラネタリウムが好きで、いつも楽しみにしていました。

のびのびパスポートも懐かしいですね。

デジタル

5つ目は

  • ロボット関連産業等

にかかる人材を活用した

  • デジタル分野

です。

神戸市では、多くの大学で

  • IoT・AI・ロボット

などのデジタル分野の人材を育成する環境があります。

高専(高等専門学校)もありますよ。

高校生の頃に、近所の高専の文化祭に行ったことがあるのですが、高い技術力を駆使して作成されたおもちゃ(ゲーム)が展示されていて、一緒に行った友人が

これめっちゃ面白い!

と夢中になって、何度も操作していたのを思い出します。

ロボットの分野では

  • 手術支援ロボット

の研究開発が進んでいたり

  • レスキューロボットコンテスト

という、災害救助のためのロボットのコンテストが開かれたりしています。

神戸で学んだ方々の活躍が、これからも楽しみですね。

食関連

6つ目は、神戸市の

  • 食関連製造業
  • サービス業 等

の集積を活用した

  • 食関連分野

です。

神戸の特産品といえば

  • 神戸ビーフ
  • 洋菓子
  • 灘のお酒

ですが、神戸市は、人口100万人以上の主要都市における

  • 農業産出額

が、なんと

  • 全国1位

です。

食料品の製造業に従事する人口も、特別区を除く市町村順位で1位です。

その秘密は

  • 西北神地域の農地
  • 臨海部の都心

の距離が近いことにあります。

豊かな生産地と大規模な消費地が隣接することで、食品製造分野に関する産業が集積し、一大産業となっています。

このような特性を生かし、市では

  • 食都神戸

を掲げ、地域の農漁業に関連した、食ビジネスや食文化の育成と活用を推進しています。

主な取り組みとしては

  • 農産物の市場(ファーマーズマーケット)
  • 都市型農業(アーバンファーミング)
  • 食材フェア
  • 社会人向け農業スクール

などがあります。

神戸市では、郊外に多くの貸農園もありますね。

また、西区や北区には、比較的大きな農業地域が集約されています。

その上で、ベッドタウンとして開発もされてきましたので、農地と住宅地が隣接する地域が多く、都心部へのアクセスも整っています。

大規模な農業を営むことは難しいですが、職住近接の都市近郊農家としては最適な場所です。

そのため、就農や家庭菜園を目的に、西区や北区に移住される方もいらっしゃいますね。

日常の中で、農業や漁業といった生産活動を感じられることは、都心部では大変贅沢なことです。

豊かな自然に囲まれて、既存の食文化はもちろん、新たな特産品やサービスの開発が進むといいですね。

観光・スポーツ

7つ目は、神戸市の

  • 海と山などの美しい自然景観
  • 異国情緒あふれる洗練された街並み 等

の観光資源を活用した

  • 観光・スポーツ分野

です。

神戸市民は、方角を海と山で確認します。

都心部に居ても、ビルの間からのぞいて

  • 山が見えたら北
  • 海が見えたら南

です。

海(南)の場合は、見えないこともありますが

  • 海っぽかったら南

という、市民独特の野生の勘(?)で判断します。

ただし、六甲山の向こう側(北区)に行ってしまうと、周りがすべて山となり、海の気配がなくなってしまいます。

そうすると

ちょっと道に迷います…。

そんな、海や山といった自然が、都心部と近いことは、神戸市の魅力のひとつですね。

異国情緒といえば

  • 異人館

が有名かもしれませんが、実は神戸市民には行ったことがない人が結構多いです。

地元の人が観光名所に行ったことがないというのは、全国的にあるあるかもしれませんね。

洗練された街並みとしては、おそらく

  • 旧居留地

を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

サッカーの三浦知良選手が、神戸のチームに所属していた頃、このオシャレな付近でしばしば目撃されることがあり、一時話題になっていました。

スポーツといえば、2024年には神戸市で

  • 世界パラ陸上競技選手権大会

が開催されました。

周辺はスポーツ施設が充実しています。

また、臨海部では、2025年の春に

  • GLION ARENA KOBE

が開業し、プロバスケットボールチームの拠点となっています。

このアリーナを中心に

  • TOTTEI PARK

では、さまざまなイベントが開催される予定だそうで、これから盛り上がりそうですね。

また、神戸は

  • 日本ゴルフ発祥の地

として、全国でも有数のコース数を備えるゴルフ場が立地しています。

ゴルフ旅行の目的地としても、候補に挙げられるようですね。

神戸市は

  • 南東部が都会

という地理になっていますが、北西部にも素敵な場所がたくさんあります。

神戸にお越しの際は、都心部以外にも立ち寄ってみて頂けると嬉しいです。

須磨シーワールドもオススメです。

クリエイティブ産業

8つ目は

  • デザイン都市
  • 神戸の都市ブランド

を活用した

  • クリエイティブ産業分野

です。

神戸市は、古来から外国の多様な文化を受け入れ、特色ある文化を生み出してきました。

特にアパレル産業が盛んで、昭和48年には

  • ファッション都市宣言

をしています。

また、数年前には

  • 神戸らしいファッション文化を振興する条例

が制定されています。

オシャレじゃないと捕まるのかな…。

※捕まりません。

鉄人28号のモニュメントがある長田区は

  • 靴の町

としても知られていますね。

また、2008年には

  • ユネスコ創造都市ネットワーク

  • デザイン都市

に認定され、企業とクリエイターの協業を促進する

  • KOBE CREATORS NOTE

というサイトも構築されています。

「ファッション都市」や「デザイン都市」の名に恥じぬよう、オシャレな場所であり続けたいですね。

おわりに

この度改正のあった

  • 地域未来投資促進税制

の概要と

  • 神戸市

における

  • 地域経済牽引事業
  • 地域特性活用分野

をご紹介しました。

税制改正をきっかけに、地元の産業を見つめ直すこととなりました。

基本計画は、都道府県単位でも作成されており

  • 兵庫県

のものもあります。

また、兵庫県下では、2025年3月26日時点で

  • 姫路市
  • 洲本市
  • 加古川市
  • 西脇市
  • 三木市
  • 高砂市
  • 川西市
  • 小野市
  • 三田市
  • 加西市
  • 養父市
  • 丹波市
  • 南あわじ市
  • 朝来市
  • 淡路市
  • 猪名川町
  • 多可町
  • 播磨町
  • 神河町
  • 明石市

の20市町の基本計画が同意されています。

お住まいの地域の基本計画を見てみると、新たな発見があったりして面白いかもしれませんね。

今後とも

  • 海と山が育むグローバル貢献都市

である神戸市を、どうぞよろしくお願いします。

We love KOBE

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