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国外の居住用財産(マイホーム)を売却した場合の特例と確定申告書等作成コーナー

税金
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日本に帰国して、外国に居たときに住んでいた家を売りました。

長らく外国で暮らしていた日本人の方が、完全帰国に際し、帰国前に居住していた国外にあるマイホームを売却することがあります。

居住用財産を売却した場合の

  • 特例

と、国税庁の

  • 確定申告書等作成コーナー(令和7年分)

を利用する際に、気になった点をご紹介します。

今回は、帰国して

  • 居住者(永住者)

となった方の

  • 国外不動産

の売却収入を例にしています。

納税義務者の区分や、国外不動産に関する課税関係については、以下をご確認ください。

居住用財産を売却した場合の特例

居住用財産(マイホーム)を売却した際に使用できる主な特例として

  • 居住用財産を譲渡した場合の特別控除の特例(措法35条1項)
  • 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の軽減税率の特例(措法31条の3)
  • 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(措法41条の5)
  • 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(措法41条の5の2)

があります。

1つ目の

  • 居住用財産を譲渡した場合の特別控除の特例(措法35条1項)

は、マイホームを売却して利益があった場合の特例で

  • 3,000万円の特別控除

が受けられる特例です。

利益が5,000万円だった場合は、2,000万円(5,000万円-3,000万円)分にしか課税されません。

利益が3,000万円までなら課税所得はゼロ、つまり、税金はかからなくなります。

2つ目の

  • 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の軽減税率の特例(措法31条の3)

も、利益があった場合の特例で、所有期間が10年超の場合に

  • 税率が軽減

される特例です。

長期譲渡所得の本来の税率は

  • 所得税:15%、住民税:5%

ですが、利益が6,000万円までの部分について

  • 所得税:10%、住民税:4%

に軽減されます。

1つ目の

  • 3,000万円の特別控除

と併用することができますので、3,000万円を控除した後の金額に対して適用されます。

残りの2つの

  • 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(措法41条の5)
  • 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(措法41条の5の2)

は、マイホームを売却して損失があった場合の特例で、いずれも

  • 他の所得と損益通算
  • 翌年以降に繰越控除

をすることができる特例です。

どちらかの選択適用となりますが

  • 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(措法41条の5)

は、新たな居住用財産(マイホーム)を住宅ローンによって購入した場合の特例です。

もうひとつの

  • 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(措法41条の5の2)

は、住宅ローン残高を売却金額で補えなかった場合の特例です。

そして、これらの特例のうち、国外の居住用財産にも使うことができるのは

  • 3,000万円の特別控除

が受けられる

  • 居住用財産を譲渡した場合の特別控除の特例(措法35条1項)

だけです。

その他の3つの特例は、対象が国内の居住用財産に限られていますので、国外の居住用財産には適用できません。

確定申告書等作成コーナーで気になった点

以上を踏まえて、国外の居住用財産を売却した場合の申告を

  • 確定申告書等作成コーナー

で行う際に、気になった点をご紹介します。

確定申告書等作成コーナーでは、売却に関する情報を入力することで、選択できる特例が自動で表示されるようになっています。

不動産を売却した方向けの国税庁のチラシにも

  • 選択可能な特例の自動表示

との記載があります。

それでは実際の画面を見てみましょう。

パソコン画面の画像でご紹介していますが、スマートフォンでも同様です。

また

  • 土地建物等の譲渡所得の入力

の画面で

  • 不動産売却内容の入力

にある

  • 譲渡価額の内訳等
  • 取得費(譲渡(売却)した資産の購入代金等)
  • 譲渡(売却)するために支払った費用

の入力を終えた後からのご紹介となりますので、その他の詳細な操作手順等は、国税庁の入力マニュアルや動画をご参照ください。

不動産売却内容の各項目を入力し、「特例選択」の画面に進むと

  • 特例の適用に関する質問

が表示されます。

ここで、画面の指示に従って選択すると

  • 適用する特例の選択

として、選択可能な特例が自動表示されます。

選択したい特例が出てきません…?

くま税理士
くま税理士

必要な情報を入力すると表示されます。

たとえば、画面にもあるように

  • 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の軽減税率の特例(措法31条の3)

を選択したい場合は

  • 取得費(譲渡(売却)した資産の購入代金等)

の画面で

  • 購入年月日

を入力しておく必要があります。

また、上記でご紹介した4つの特例のいずれかを選択する場合は

  • 譲渡価額の内訳等

の画面で

  • 利用状況(「自己の居住用」を選択)
  • 居住期間

が入力されている状態でなければ、エラーメッセージが表示されます。

そして、無事に特例が表示され選択した後は、次の画面で、自分で再度要件を確認する必要があります。

選択した特例によっては確認事項が多くなりますが、それぞれ説明のリンクも用意されていますので、当てはまる場合には漏れなく目を通しましょう。

さて、以上の流れの中で気になったのが

国内外の確認は無いみたいですね…。

ということです。

ひとつ前の「適用する特例の選択」の画面には

  • 特例条文一覧

のリンクが用意されていて、今回ご紹介しているのは

  • 2 マイホームを譲渡(売却)し、利益があった場合の特例
  • 3 マイホームを譲渡(売却)し、損失があった場合の特例

のところになります。

ここで、ひとつひとつの特例を確認すると、ようやく

  • 日本国内

という文言が見つかります。

国外の居住用財産の売却となると、多くの方にとって

  • はじめて

のことで

  • 1回だけ

である可能性が高いです。

そう考えると、自分で確認しなければならないのは、少しハードルが高いような気がします。

入力画面のどこか、たとえば

  • 譲渡価額の内訳等

の画面の

  • 譲渡(売却)した物件の種類
  • 住所

といった項目で

  • 選択肢
  • チェック欄

などを設けて国内外を区別しておくと、自動表示(または非表示)が可能となるのではないかなと思いました。

現状では、国外の居住用財産に適用することができない特例も、選択してそのまま進めてしまうようです。

上記でご案内したように、国外の居住用財産に適用できる特例は

  • 3,000万円の特別控除

が受けられる

  • 居住用財産を譲渡した場合の特別控除の特例(措法35条1項)

のみですので、自分で判断して選択する必要があります。

国外の居住用財産に限らず、特例の適用は、税額に大きく影響します。

また、適用要件の確認の画面でも出てきたように、ひとつの特例を適用すると、他の特例が使えなくなる場合もあります。

たとえば、帰国前に住んでいた国外居住用財産の売却時に、3000万円の特別控除を適用すると、帰国後3年以内に、日本で住宅ローンによって新たに居住用財産を購入した場合、住宅ローン控除が適用できません。

同一年に併用できないだけでなく、一定期間制約があり、さらに住宅ローン控除の場合は、居住開始の際に適用要件を満たしていなければ、その後10年以上に渡りその恩恵が受けられないことになります。

特例は今後のこともよく考えて、慎重に選択しなければなりません。

くま税理士
くま税理士

不安な方はご相談ください。↓

また、もうひとつ気になったのが、各項目の入力欄です。

特に住所を入力する際に、各言語独自の文字が入力できないことに気づきました。

たとえば、ドイツ語の「ß」で「straße」という単語に含まれる文字です。

「straße」は、英語の「street」のことで、大半のドイツ語の住所に含まれる単語です。

作曲家名を使った

  • Mozartstraße
  • Beethovenstraße
  • Mendelssohnstraße

といった通り名もあります。

オシャレですね。

ということで、ドイツ語の住所を入れると、かなりの確率で

入れられないんだけど…。

となります。

入力欄は、半角で入力しても自動的に全角に変換されるようになっていますが、「ß」だけ変換されず

  • 全角文字で入力してください。

というエラーメッセージが表示されます。

そこで「ß」の全角「ẞ」を入れると、今度は

  • 「ẞ」を削除してください。

というメッセージが表示されました。

いずれにしても入力できないようですので、「straße」なら、ssで代替するか「str.」で入力するといいですね。

都市名だと「München」や「Köln」も入力できません。

Umlautの全角文字はありませんので、自動変換がされず

  • 全角文字で入力してください。

というエラー表示になります。

こちらも適宜代替してください。

おわりに

日本に帰国して

  • 居住者(永住者)

となった方が、外国に居たときに住んでいた

  • 国外居住用財産

を売却した場合の申告について

  • 特例

と、国税庁の

  • 確定申告書等作成コーナー(令和7年分)

を利用する際に、気になった点をご紹介しました。

居住者(永住者)の国外不動産については、その不動産がある国でも課税の対象となります。

二重課税が発生している可能性がありますので、合わせて外国税額控除の検討も必要です。

売却前にご不明な点がおありの場合は、個別相談にてご相談ください。

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