売上の計上時期:引渡日っていつ?基準と仕訳例

税金

税金の計算をするときに大切なのが売上日です。

売上日ってお金をもらった日じゃないんですか?

くま税理士
くま税理士

違います!

売上の計上時期

商品や製品を売った場合は、その商品や製品を引渡した日が売上日になります。

引渡した日って具体的にはいつですか?

くま税理士
くま税理士

いくつか基準がありますが、出荷基準や検収基準が一般的ですね。

一般的な基準

出荷基準は、商品や製品を出荷した日を売上日とする方法です。

検収基準は、商品や製品を受け取った相手が検収した日。

納品日(到着日・入荷日)基準というのもあります。

売る側にとっては、出荷基準がわかりやすいですね。

機械やシステム開発などの場合は、検収基準を採用することが多いようです。

委託販売を行っている場合には、受託者販売日基準(受託者が販売した日)、実際の販売日を知ることができない場合には売上計算書到達⽇基準(最終精算書が到達した日)という基準もあります。

輸出企業なら船積基準が定番ですね。

電気・ガス・水道料金などで使う検針日基準というのもあります。

また、業種によっては特殊な基準もあります。

個人農家さん:収穫基準

収穫基準はその名のとおり、収穫した日を売上日とする方法です。

収穫基準が採用できるのは、農業所得における以下の農産物だけです。

  • 米、麦その他の穀物
  • 馬鈴しよ、甘しよ、たばこ、野菜、花、種苗その他のほ場作物
  • 果樹、樹園の生産物
  • 温室その他特殊施設を用いて生産する園芸作物

農業法人:概算⾦等受領⽇基準

農業法人(法人税)の場合は、個人農家さん(所得税)の特例である収穫基準を採用することはできません。

原則である引渡日を売上日とすることになります。

ただし、委託販売を行っている場合に、売上計算書到達⽇基準を採用することが適切とはいえないことがあります。

精算書が、月単位や週単位など、比較的短い期間で送られるものでなく、出荷日の翌年や翌々年になって精算書を受け取るような場合です。

このような場合には、概算⾦や精算⾦を受け取った⽇を売上日とする概算⾦等受領⽇基準を採用することになります。

適用の注意点

引渡日ってひとつじゃなくてたくさんあるんですね。

くま税理士
くま税理士

そうなんです。
このたくさんある基準の中から、業種や業態に最も適したものを採用することになります。

一般的な基準例
  • 出荷日基準
  • 納品日(到達日・入荷日)基準
  • 検収基準
  • 船積基準
  • 検針日基準
  • 使用収益基準

そして、いずれも継続して同じ基準を採用することが必要です。

ころころ変えるのはダメなんですね。

くま税理士
くま税理士

そうですね。合理的な基準を選んで、継続して使い続けてください。

サービスを提供した場合の売上日

商品売買ではなく、サービスを提供した場合は、そのサービスの提供が完了した日が売上日になります。

こちらにも例外があって、個人大家さんの不動産所得では、契約で定められた支払日を売上日とするのが原則です。

弁護士さん(個人)の顧問料などは、基本的には原則どおり、顧問月の終了時にその月の売上としますが、前受けしている場合で解約しても返金がない約束のときは、お金を受け取った時点で売上とする必要があります。

売上の仕訳例

以下は、売上日と入金日が異なる場合の仕訳例です。(出荷基準を適用)

あとでお金をもらう場合

10月10日:商品(10,000円)を出荷した。

10月10日(売掛金)10,000/(売上)10,000

11月10日:商品代金(10,000円)が銀行口座に振り込まれた。

11月10日(普通預金)10,000/(売掛金)10,000

この場合は10月分の売上高になります。

先にお金をもらう場合

10月15日:商品代金(20,000円)が銀行口座に振り込まれた。

10月15日(普通預金)20,000/(前受金)20,000

11月15日:商品(20,000円)を出荷した。

11月15日(前受金)20,000/(売上)20,000

この場合は11月分の売上高になります。

クレジットカードで売り上げた場合

10月20日:商品(50,000円)をクレジットカードで販売した。

10月20日(売掛金)50,000/(売上)50,000

11月10日:商品代金が手数料を差し引いて銀行口座に振り込まれた。

11月10日(普通預金)48,500/(売掛金)50,000
(支払手数料)1,500

※以下のように仕訳をしても同じです。

11月10日(普通預金)48,500/(売掛金)48,500
(支払手数料)1,500/(売掛金)1,500


この場合は10月分の売上高になります。

おわりに

売上の計上時期についてお話ししてきました。

入金日は売上日ではありませんので、通帳の入出金の記録だけでは売上日はわかりません。

入出金の日付は資産や負債の増減状況をあらわすだけで、収益や費用の「いつ」という情報にはなりません。

同じ申告年度内であれば月がズレていても税額には影響しませんが、売上の期ズレ(年度を間違えること)は重大な誤りです。

ご紹介した仕訳例が12月や1月だった場合には、間違えると申告自体が誤ったものになってしまいますよね。

入出庫の記録やサービスの提供日など、売上日がわかる書類もきちんと保管し記録しておきましょう。

請求書に売上日を記載しておくのもいいですね。

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