法人が支払う
には、厳しい規定があります。

役員は自分の報酬に裁量権があるからですね。

おっしゃる通りです。
恣意性を排除することが目的です。
そんな役員給与の規定の対象となる
に含まれる
について解説します。
みなし役員
会社法等で定められている役員には
などがありますが、これら以外の者で、法人の
している一定の者を、税法独自の
としています。
具体的には、まず
といった肩書きの者です。
これらの者は、取締役ではないけれど、取締役会に出席したり、取締役会の前に意見を聴いたりする存在です。
実質的に役員と変わりませんので、使用人ではなく、経営に従事していると認められます。
また同族会社では、使用人であっても、経営に従事している場合は、みなし役員とされることがあります。
これは、名目上使用人とすることで、役員給与の規定を逃れようとする租税回避行為を防止するためです。
具体的には、同族会社の判定の基礎となった所有割合で
の3要件をすべて満たしている場合に、みなし役員とされます。
50%超基準は、第3順位までの株主グループのうち
に属していることが要件です。
これにより
を判定することができます。
たとえば
の場合、グループAまたはグループBに属していると、50%超基準を満たすことになります。
グループCに属している場合は、要件を満たしませんので、ここで判定は終了です。
10%超基準は
であることが要件です。
これにより
を判定することができます。
たとえば、さきほどの例の
の場合は、グループAもグループBも、どちらも10%超基準を満たします。
5%超基準は
であることが要件です。
これにより
を判定することができます。
その者の所有割合には、配偶者や支配会社(法人株主)の所有割合も含みます。
支配会社は、本人と配偶者の両者で所有割合が50%超となる他の会社です。
たとえば
の場合、5%超基準を満たします。
以上の判定を行い、すべての基準を満たす場合、経営に従事している同族会社の使用人は、みなし役員とされ、その者に対する給与は役員給与の規定の対象となります。
使用人兼務役員
使用人兼務役員とは、役員のうち
を有し
する者をいいます。
肩書きは役員ですが、実質的に使用人として働いている者のことです。
使用人兼務役員に対する給与のうち、使用人としての職務に対するものは、役員給与の規定の対象からは除かれます。
通常の役員に比べ、その給与について、税務上有利に取り扱われるということです。
使用人としての職制上の地位とは
といった、社内で定められている使用人としての肩書きのことです。
したがって、これに取締役が付いた
などは、使用人兼務役員とされます。
ただし、特に使用人としての肩書きがなくても、従事している職務が、他の使用人の職務内容と同質であると認められる場合は、使用人兼務役員として取扱うことができます。
なお
のように、特定部門の統括をしている場合は、使用人兼務役員ではなく通常の役員とされます。
また、常時使用人としての職務に従事していることも要件ですので
は、使用人兼務役員にはなれません。
たとえば
などは、通常の役員になります。
さらに、同族会社の場合は、みなし役員と同じく、所有割合による判定があります。
同族会社の判定の基礎となった所有割合が
の3要件をすべて満たしている場合は、使用人兼務役員にはなれず、通常の役員とされます。
おわりに
役員給与の規定の対象となる
に含まれる
について解説しました。
判定誤りのないよう、正確に把握しておきたいですね。







