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輸出物品販売場の免税制度と出国時携帯品の輸出免税

税金
税金

消費税は

  • 消費地課税主義

です。

免税店で購入される

  • 外国からの旅行者が帰国後に使用するもの
  • 日本に住む人が外国に行くときのお土産

など、国外で消費されるものは消費税が免除されます。

  • 輸出物品販売場の免税制度
  • 出国時携帯品の輸出免税

の解説と、留学生御用達の

  • 別送品

の体験談をご紹介します。

輸出物品販売場の免税制度

概要

国外に輸出されるものは、消費税の課税が免除されます。

輸出品は、輸出先の国で消費されて課税されるため、輸出元の国で課税すると二重課税になってしまうからです。

外国からの旅行者が、日本国内で物品を購入して自分の国へ持ち帰る行為も、この輸出取引と同様であると考えられます。

そこで、消費税には

  • 輸出物品販売場での免税制度

が設けられています。

免税対象者

2022年9月現在は、この輸出物品販売場での免税制度の対象者は

  • 外国為替及び外国貿易法に規定する非居住者

ですが、2023年4月1日から、上記の非居住者のうち

  • 上陸の許可を受けて在留する者
  • 外交、公用、短期滞在の在留資格をもつて在留する者
  • 日本国籍で外国に2年以上住所等がある者(書類の確認が必要)
  • 合衆国軍隊の構成員等

のみになる予定です。

日本国籍者の確認書類は、以下のいずれかで、入国日の6か月前の日以後に作成されたものです。

  • 領事官の在留証明
  • 戸籍の附票の写し

輸出されなかったとき

輸出物品販売場の免税制度は、輸出されて国外で消費されるため消費税が免除される制度です。

なんらかの理由で輸出されなかったときは、消費税相当額が徴収されます。

購入したものを、国内で販売したり人にあげたりすることも禁止されています。

ただし、やむを得ない事情について税務署長から承認を受けた場合は、譲渡や譲受けができることとされています。

たとえば

遊びすぎて帰るお金がなくなっちゃった…。

というような場合に、帰国費用を工面するため譲渡することは、承認されると考えられます。

譲渡していなくても

待ちきれなくて旅行中に使っちゃった。

という場合など、帰国の際に持っていないときも、輸出がされなかったことになります。

また、旅先で恋に落ちて

このまま日本で結婚して国には戻りません。

という場合など、非居住者が居住者になったときも、輸出がされなかったことになります。

輸出されなかった場合の消費税額相当額の徴収は

  • 税関長
  • 税務署長

によって直ちに行われます。

出国時携帯品の輸出免税

日本人が外国に行くときに買っていくお土産は、輸出にならないのですか?

くま税理士
くま税理士

輸出物品販売場で購入して、所定の手続きをすると免税になります。

日本に住んでいる人は、特別な場合を除いて、上記の輸出物品販売場の免税制度の対象者ではありません。

ただし、外国での贈答用などで、出国する際に携帯するものについては、輸出免税の規定の適用を受けることができます。

対象は、1個あたり1万円を超え

  • 帰国や再入国時に携帯しないもの
  • 外国で2年以上使用または消費するもの

で、誓約書と輸出証明書が必要です。

なお、帰国や再入国の際に持っていた場合など、輸出と認められないときは消費税が課税されます。

また、免税で購入した場合は、支払った消費税はありませんので、仕入税額控除の対象にはなりません。

コラム:別送品の思い出

留学生や外国赴任者におなじみの

  • 別送品

は、外国に渡航する際に生活用品などを別便で送る方法です。

携帯品と合わせて20万円分まで、関税と消費税が免税になります。

私もドイツで暮らしたときに、往復利用しました。

当時の名称は忘れてしまいましたが、利用したのはクロネコヤマトのサービスです。

今だと、日本から出国するときは、多分↓これです。

帰国のときは、↓これだと思います。

さて、往路(日本→ドイツ)の心配事は、ドイツでの受け取りです。

日本で申し込んだのはクロネコヤマトですが、ドイツ国内の配達は地元の業者です。

10年以上前のことなので今はわかりませんが

配達に来たときに不在だと、自分で遠くまで取りに行かなきゃいけないのよ。

と聞いていました。

どんなに大きくて、自分で運べなさそうでも関係ありません。

車もないしどう考えても無理だよね。

しかも、不在でなくても、わかりにくかったり見つけられなかったりして、配達員が帰ってしまうこともあるそうです。

到着は入国の1週間後ぐらいの予定です。

学校に行っている間に来ませんように…。

と毎日祈りながら、家に帰ると窓の外をずっと見張っていました。

するとある日それらしき人が!

慌てて外に出て、キョロキョロしながらウロウロしていた配達員のおじさんに声を掛けました。

5階なんだけど…。(エレベータ無し)

と言うと、「仕方がないなー」という顔で上まで運んでくれました。

届いた荷物がこちら。

なんとか無事(!?)に受け取ることができました。

ボロボロになって角がなくなっていました。(笑)

専用の段ボール箱を購入すれば良かったのですが、申し込んだときには、家にあった巨大段ボール箱で既に荷造りを始めてしまっていて、そのまま送ることにしました。

国際輸送では、専用の段ボール箱のご利用を強くお勧めします!(笑)

続きまして、復路(ドイツ→日本)の心配事は集荷です。

集荷の日、時間を約束していたかどうか忘れてしまったのですが、思ったよりちゃんと来てくれたような記憶があります。

ドアを開けると、汗だくで息切れした配達員のおじさんが…。

ここはエレベータ無いの?

無いんだ…。ごめんね…。

そして、巨大な荷物を見て、またとても悲しそうな顔をして、肩で息をしながら階段を一段一段降りて、運んで行ってくれました。

そして日本に帰国し数日後、荷物が届きました。

ちょうどよい大きさの段ボール箱が見つからず、結局あまり頑丈ではない箱で送ったので、またボロボロになって小さくなった姿を想像していました。

ところが!

なんと!

写真を撮っていなくて本当に残念なのですが、キレイでピカピカで絶対潰れなさそうな頑丈な段ボール箱が届いたのです。

しかも一回りぐらい大きくなっています。

荷物間違ってるのかな…。

と思いましたが、宛名は合っています。

恐る恐る開けてみると、なんと中には、私が梱包した段ボール箱がそのまま入っていました。

途中のどこかで二重にしてくれたんだね!!

これはきっと日本人の仕業です。(笑)

その節は、ありがとうございました。

ところで、クロネコヤマトといえば、省略して言う場合、普通は

やまと!

と言いますよね。

外国暮らしの長かった同僚(日本人)が

くろねこ!

と言っていて面白かったのを思い出し、楽しい気持ちになりました。

おわりに

免税店の

  • 輸出物品販売場の免税制度
  • 出国時携帯品の輸出免税

を解説しました。

日本の観光地への、外国からの旅行者が早く戻るといいですね。

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