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国外支配株主等と資金供与者等:過小資本税制(国外支配株主等に係る負債の利子等の課税の特例)

税金
税金

前回記事の

  • 国外支配株主等に係る負債の利子等の課税の特例

通称

  • 過小資本税制

の対象となる

  • 国外支配株主等
  • 資金供与者等

について解説します。

国外支配株主等

形式基準

形式基準として、株式や出資の保有割合による判定があります。

外国法人や非居住者に、発行済株式等の

  • 50%以上を直接または間接に保有

されている場合、その外国法人や非居住者は、国外支配株主等に該当します。

この関係には

  • 親子関係
  • 兄弟関係

の2種類があります。

例えば、以下のような親子関係の場合、P社はS社の国外支配株主等です。

  • P社(外国法人)
  • S社(内国法人)
  • P社はS社の株式等の80%を保有
親子

上記は、P社がS社の株式等の50%以上(80%)を直接に保有している関係です。

また、親子関係には孫会社等も含まれます。

以下のような場合、P社はSS社の国外支配株主等です。

  • P社(外国法人)
  • SS社(内国法人)
  • P社はS社の株式等の80%を保有
  • S社はSS社の株式等の60%を保有
親子関係(間接)

上記は、P社が、株式等の50%以上(80%)を保有しているS社を通じて、SS社の株式等の50%以上(60%)を間接に保有している関係です。

なお、直接保有と間接保有の両方がある場合は、合計した割合で判定します。

例えば

  • P社(外国法人)
  • SS社(内国法人)
  • P社はS社の株式等の80%を保有
  • P社はSS社の株式等の40%を保有
  • S社はSS社の株式等の30%を保有
直接と間接

上記の場合、P社はSS社の株式等の

  • 40%を直接保有
  • 30%を間接保有

しています。

これらを合計して、P社はSS社の株式等の50%以上(40%+30%=70%)を直接または間接に保有していますので、P社はSS社の国外支配株主等に該当します。

兄弟関係については、例えば、以下のような場合は、S2社はS1社の国外支配株主等です。

  • S1社(内国法人)
  • S2社(外国法人)
  • P社はS1社の株式等の80%を保有
  • P社はS2社の株式等の60%を保有
兄弟

上記は、S1社とS2社が、P社によって、株式等の50%以上(S1社80%、S2社60%)を直接に保有されている関係です。

兄弟関係についても、間接保有分があれば、親子関係の場合と同様に、直接保有分と合計して判定します。

実質基準

株式等の保有割合が50%未満であっても

  • 事業の方針を実質的に決定できる関係

にある外国法人や非居住者は、国外支配株主等に含まれます。

具体的には、その外国法人や非居住者との

  • 取引

に、事業活動の相当部分を依存している場合や、その外国法人や非居住者からの

  • 資金調達(借入や保証)

の割合が相当高い場合、また

  • 役員の2分の1以上
    または
  • 代表権限のある役員

を、その外国法人の役員や使用人が兼務している場合などです。

これら

  • 取引
  • 資金
  • 人事

の関係を通じて

  • 実質的に支配している

場合には、その外国法人や非居住者も、国外支配株主等に該当します。

資金供与者等

利子の支払先が第三者であっても、その資金提供に国外支配株主等が介在している場合、過小資本税制の対象となります。

このときの第三者が、資金供与者等です。

第三者を通じて、国外支配株主等自身が資金を供与した場合はもちろん、実際に資金供与をしたのは第三者だったとしても、国外支配株主等が債務の保証をしている場合は、その第三者に支払った利子についても、過小資本税制の適用対象となります。

おわりに

過小資本税制の対象となる

  • 国外支配株主等
  • 資金供与者等

について解説しました。

形式基準だけでなく、実質基準についてもきちんと確認したいですね。

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