全国の地方大会が観られるようになって思うこと:バーチャル高校野球のライブ配信観戦記

雑記
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  • バーチャル高校野球

で、数年前から地方大会の試合が観られるようになりました。

先週は各地の決勝戦が立て続けにあって

大忙しでしたね!

決勝戦以外も含めて何試合か観戦しましたので、思ったことや感じたことをご紹介します。

試合や配信の内容にも触れています。
見逃し配信を楽しみにお待ちの方は、先に観戦してからお読みいただけますと幸いです。

徹底した暑さ対策

高校野球の近年の変化というと

  • 投手の球数制限
  • 低反発バット

が話題になることが多いですが、観戦していて大きく変わったと感じるのが

  • 暑さ対策

です。

具体的な対策のひとつとしては

  • クーリングタイム

の導入がありますね。

地方大会での実施は、各都道府県によって異なるかもしれませんが、兵庫大会では、3回、5回、7回終了時の合計3度、休息時間が設けられているようでした。

報徳学園(兵庫大会)の準々決勝で、試合の序盤に、投手の選手が四球で出塁し、ひとつずつ進塁して先制点を取る場面がありました。

ランナーになると、走るだけでなく、1球ごとに離塁と帰塁を繰り返し、体力を消耗します。

そして、進塁の理由が、アウトカウントを増やすもの(送りバント、犠牲フライ、内野ゴロなど)であれば、次の守備(投球)までの時間が少なくなっていきます。

タイミングが悪ければ、炎天下で走り回った直後にマウンドに立つことになります。

その昔、甲子園でも、横浜高校の松坂大輔さんが、ランナーとしてベースを周った後、肩で息をしながらマウンドに立つという場面があったように思います。

漫画の「タッチ」にもそんな場面がありましたね。

2年生のときの勢南戦です。

単行本をお持ちの方は11巻をご確認ください。

タッチ11巻
※初期の単行本なので、新しいものですと巻数が異なるかもしれません。

試合に話を戻して、守備が終わってベンチに帰るたびに、氷嚢を頭に乗せて、暑さ対策を徹底していたほどの猛暑日です。

二塁ベース付近で、ランナーとして行ったり来たりする投手を見て、悪い予感が一瞬よぎりました。

でもこの場面

3回裏だったんです!

クーリングタイムのおかげで、攻撃が終わっても、次の守備までに少し休めることに気づき

じゃあとりあえず今は走っても大丈夫だね。

と、攻撃の応援に集中することができました。

また、クーリングタイムやグラウンド整備などの決められた時間だけでなく、選手の治療などによる突発的な中断の際にも、すぐに選手をベンチに引き上げさせている光景が、全国で何度も見られました。

千葉大会の決勝戦では、タイブレークに入ってから20分程度の中断がありました。

守備妨害の判定に対する抗議によるもので、数分で一旦再開されそうになり選手が出てきたのですが、話し合いが続き、再度選手がベンチに戻るという場面がありました。

監督と審判の間を何度も往復するキャプテンが、ずっと炎天下にさらされている様子は、少し心配になりました。

最後は、監督の指示があったようで、納得はしていないと思いますが、帽子をとって深々と何度も審判に頭を下げていました。

きれいな丸刈りで、太陽がジリジリと直接当たって輝いていたので、余計に心配になって

早く帽子かぶって!

と思ってしまいました。

選手達はそんなにひ弱ではないと思いますが、高校生活は限られた短い時間です。

できる限り万全の体調で、最高のパフォーマンスをして、すべての試合が、思い出に残る良い試合になるといいなと思います。

有名校が敗退したとき

今年最も注目されていた地方大会のひとつが、宮城大会ではないでしょうか。

仙台育英の試合の日には、球場に長蛇の列ができていたようですね。

私も、一昨年の優勝の際に、うさ友さんのご家族が同校のご出身だと聞き、自分自身は縁もゆかりもないのに便乗して、昨年は「箱推し」として大変楽しませて頂きました。

チームやグループ全体を応援することを

「箱推し」と言うんですね。

春も夏も国体も、たくさんの試合を観て熱心に応援しました。

「推し」の学校が勝ち進むと、選手や校歌を覚えたりして、いつも以上に思い出深い大会になりますよね。

そんな同校はファンも多く、宮城大会の決勝戦(聖和学園vs仙台育英)は、ライブ配信で観戦した方もたくさんいらっしゃったのではないでしょうか。

私も楽しみにしていましたが、当初は別のことをやりながら観るつもりでした。

でも、前半のシーソーゲームと、わかりやすくて絶妙な解説に引き込まれて、一瞬たりとも見逃さず、一言一句聞き逃すまいと、配信を映したタブレットを持参してトイレに行く羽目になるほど、夢中で観てしまいました。

そんな私が独断と偏見で選んだ、勝負が決まったと思った瞬間は、9回表の聖和学園の追加点の場面です。(素人の個人の感想です。)

3点差になったからではありません。

ホームに生還した選手が、ピッチャーなのに

ヘッドスライディングしたんです!

すごい気迫と、絶対勝つんだという強い信念を感じて

ちょっと勝てないかも…。

と思ってしまいました。(先に諦めてしまってごめんなさい。)

長く高校野球を観続けていると、何度も甲子園に出場している学校名に馴染みがあり、組み合わせが決まった段階で

屈指の好カードだね。

などと、知った顔で楽しみにしたりします。

地名が入っている有名校のおかげで

○○って、たしか□□県だったと思うよ。

と、地理博士のごとく、珍しい地名を知っていたりすることもあります。

かつては、遠方の有名校の試合映像が観られるのは甲子園だけで、地方大会の状況は新聞で確認していました。

大会の序盤は小さな字で結果の点数のみ、決勝戦になると各回のスコアがわかる程度です。

地域や注目度によっては、準々決勝以降くらいにならないと、掲載されないこともありました。

地元の大会でさえ、序盤はテレビ放送なんてありません。

終盤になるとテレビで放送されることもあり、近畿地方の他府県の決勝を観られることもありましたが、いち早く結果を知りたいときは、電話で結果を聞けるサービスがあって、何度もかけて確かめたりしていました。

皆さんお馴染みの「甲子園への道」は、大学生くらいの頃に始まったと思います。

試合の当日に結果を知ることはできるようになりましたが、映像はハイライトのほんの少しですし、特に取り上げられなければ、新聞の情報と同じです。

そんな中で、甲子園にやって来ることを楽しみにしていた有名校が、地方大会で敗退したことを知ったときは、その結果だけを見て

楽しみがひとつ減っちゃったな…。

などと思っていたものです。

点数だけ、またはちょっとしたハイライトの場面だけしか観られていませんので、致し方のないことだったかもしれません。

でも、地方大会の試合をノーカットで観られるようになったことで、軽々しく「楽しみが減った。」などとは言えなくなりました。

甲子園球場での試合だけが特別ではなく、すべての参加校が全国大会(の地方予選)に出場していて、すべての試合が、大きなトーナメントの中のひとつの対戦であることを再認識しました。

甲子園の決勝戦も、地方大会の1回戦も、どちらも同じ真剣勝負で、全力を尽くす選手達を観ることができる素晴らしい瞬間です。

甲子園の試合だけを観て「高校野球ファン」は名乗れないなと思いました。

聖和学園の8点目は、結果として決勝点となりましたので、ハイライトとして取り上げられる場面かもしれません。

ヘッドスライディングをすると、背番号が見えますので、投手であることには気づくかもしれません。

でも、変わったばかりの2人目の投手であることは、ハイライトだけではわかりません。

9回表を終わって3点差だったことが、実際にどのくらいの差であったのかは、試合を通して観ていないと感じることはできません。

選手や監督や解説者が、口を揃えて言う「流れ」も、体感することはできません。

元プロ野球選手の古田敦也さんは、この「流れ」は、いつか必ず来るはずなので、全然来ないときは諦めて待つとおっしゃっていました。

でもこの決勝戦で、仙台育英に「流れ」が来た瞬間は無かったように思いました。(素人の個人の感想です。)

宮城大会は、上品で紳士的ですよね。

この試合を観て以降、それまでは

  • どちらかを応援

しながら観戦することが多かったのですが

  • どちらも応援

して、選手にとって

  • 良い試合になること

を願って観ることが多くなりました。

配信内で紹介された応援メッセージも、両校を応援し、選手の体調を気づかう言葉が多かったです。

解説者の方も、宮城大会のたくさんの試合を経験し、各校のことを知り尽くし、良い試合にしてほしいという一心でお話しされていたようでしたので、引き込まれたのだと思います。

西日本の大会も複数観ましたが、関西や九州などの試合に比べて、ガヤガヤ感(?ザワザワ感?)がないというか、もちろん手に汗は握りますし、グラウンドでも観客席でも大きな声を出していると思うのですが、興奮しつつも、なんだか落ち着いて穏やかな気持ちで観られました。

活気がないと言っているのではありませんし、逆に、西日本がお行儀が悪いと言っているのでもありません。

愛する地元を含む西日本をディスるわけがありませんし

報徳学園(兵庫)だってお上品ですよ!(多分)

しつこいですが

個人の感想です。

近年は東高西低となる大会が多く、特に東北地方は、今や大注目の最強地方ですよね。

配信では、各地の放送局の都合だと思いますが、インタビューや閉会式の途中くらいまで観られることもありました。

秋田大会の

  • おめでとぉぉぉ!!ありがとぉぉ!

は良かったですね。

選手との絆を感じました。

宮城大会の聖和学園をはじめ、全国各地のインタビューでは

  • リベンジ

を口にする選手や監督が多かったように思います。

すべての学校に物語があり、地方大会の観戦は、それを知り、感じることができる貴重な機会なのだと思いました。

落ち着き払った高校生たち

もうひとつ、多くの方が観戦されたのではないかと思うのが、神奈川大会の決勝(東海大相模vs横浜)です。

いつもこの対戦ですか?

くま税理士
くま税理士

昨年は慶応ですよ。

そうでした!

となってしまうくらい、他県民にとってはお馴染みの両校です。

そして、いつもはどうなのか知らないのですが、今年は7月24日が決勝戦でした。

神奈川なのに早くない?

神奈川は参加校が多い地方のひとつです。

東京が東と西に分かれているため、神奈川大会だけが200校超えという時代もありました。

そんな神奈川の決勝ですので、意外と早く行われることに驚きました。

参加校が多いとわかっているからこそ、球場や日程の調整を始め、円滑に大会を進めることに尽力しているのかなと思いました。

一昔前は、7月の最終週に連戦が詰め込まれて、特に大阪大会は、少し天気が悪い日があると、8月の1日や2日まで決まらないという年もありました。

近いからいいけど、ギリギリすぎるよね…。

近年は、甲子園はもちろん、地方大会でも全国的に、休養日を含めて余裕を持った日程で進められているようですね。

また、試合の映像が映し出されて、最初に驚いたのは観客の多さです。

外野席までお客さんがいっぱいで、グラウンドは高いフェンスに囲まれ、開始時間は14:00です。

プロ野球のデーゲームみたいだね。

ほかの地方の決勝戦が重なる日や、試合が多く行われる時間帯を避け、多くの人が満を持して観戦できるタイミングです。

わざとなのか、たまたまなのかはわかりませんが、エンターテインメント性を感じました。

華々しい晴れ舞台で、選手はさぞかし緊張するのではないかと心配になるくらいでした。

ところが選手達は、カナリア軍団かレアル軍団かと見間違うほど、こなれた感じでウォーミングアップをしています。(古くてすみません。今だとどこでしょう…?)

強豪校だからというのもあるのかもしれませんが、プロの球場(横浜スタジアム)で、大勢の観客に囲まれても、なんとも思っていなさそうな余裕の表情です。

試合が始まってからも、初回からお互いに送りバントをなんなくきめて、落ち着き払っていました。

しかも

1年生がたくさん出ていました。

成人年齢が18歳になりましたので、3年生の中には「大人」の選手もいたかもしれません。

でも1年生って、15歳か16歳ですよね。

昔から高校球児は、大人っぽいな、しっかりしているなと、自分が年上になってからも尊敬することがよくありましたが、特に最近は、この神奈川の例だけでなく全国的に

高校生とは思えません!

と驚くことが多いです。

インタビューなどでもお話し上手で、大人(インタビュアーや監督など)の方が

なんか緊張してるね…。

とヒヤヒヤすることがありますよね。

高校野球の試合を観戦すると、プレイ中はもちろん、それ以外の場面でも学ぶことがたくさんあります。

もう3倍近く長く生きていますが、年上かと思うほど落ち着き払った選手の方々の、言動や立ち居振る舞いをお手本にして、自分もまだまだ成長していければと思います。

おわりに

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  • バーチャル高校野球

で地方大会を観戦して、思ったことや感じたことをご紹介しました。

これまで、スポーツ観戦の際は

  • リアルタイム

を重視してきましたが

  • ノーカット

であるところに意味があったことに、再度気づかされました。

名場面を集めた番組や動画も大好きですが、ダイジェストやハイライトでは取り上げられない場面や、試合を通じた空気感から得られるものはとても多いです。

それを踏まえて名場面に繋がるので、やっぱりスポーツ観戦は

ノーカットがいちばん!

ですね。

ちなみに、地方大会の後半は、ヨーロッパ開催のオリンピックと重なり、4年に1度の大繁忙期の前半をなんとか乗り切りました。

次は、オリンピックと甲子園が重なります。

皆さんは、いつ寝ていますか…?

たくさんのスポーツが、リアルタイムで観られるようになったのはとても有難いですが、多すぎてもどれを観ようかと迷いますし

体力の限界…気力の限界…

と、嬉しい悲鳴をあげている今日この頃です。

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