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輸入取引の消費税:仕入税額控除の要件と税額

税金
税金

輸入消費税の概要と仕入税額控除について解説します。

輸入取引の概要

課税の対象

国内取引の課税の対象は

  • 国内において
  • 事業者が事業として
  • 対価を得て
    行う
  • 資産の譲渡、資産の貸付、役務の提供

ですが、輸入取引にはこの4要件はありません。

国内取引とはまったく別のものとして、輸入取引では

  • 保税地域から引き取られる外国貨物

が課税の対象になります。

外国貨物とは

  • 輸入許可前の貨物

のことです。

輸入が許可されると

  • 内国貨物

になります。

消費税は、国内での消費について課税する消費地課税主義です。

輸入によって外国から入ってきたものは、日本国内で消費される予定のものです。

したがって、国内へ引き取られた段階で課税されます。

納税義務者

輸入取引の納税義務者は

  • 外国貨物を保税地域から引き取る者

です。

原則として、輸入申告書の名義人がこれにあたります。

ただし、限定申告によって、実質的な輸入者と名義人が異なる場合に、実質的な輸入者が

  • 課税貨物を名義人へ有償で譲渡
  • 消費税、地方消費税額を負担
  • 輸入許可書および領収証書の原本を保存

した場合は、実質的な輸入者が引き取ったものとされます。

なお、国内取引のように

  • 事業者が事業として

行う場合だけでなく、個人で輸入する場合も、原則として納税義務があります。

ただし、土産品などについて一定の要件を満たす場合は、関税および消費税が免除されます。

非課税

国内取引については、13個の非課税取引がありますが、輸入取引については

  • 有価証券等
  • 郵便切手類
  • 印紙、証紙、物品切手等
  • 身体障害者用物品
  • 教科用図書

の引取りが、非課税取引になります。

仕入税額控除

要件

納付した輸入消費税について仕入税額控除を受けるためには

  • 帳簿
  • 請求書等

の保存が必要です。

帳簿の記載事項は

  • 引取り日(または特例申告の決定通知日)
  • 課税貨物の内容
  • 消費税、地方消費税の額

です。

輸入消費税の場合の請求書等とは

  • 輸入許可を証する書類等

のことで、具体的には

  • 輸入許可通知書
  • 輸入申告書控

などが該当します。

請求書等の記載事項は

  • 納税地の所轄税関長
  • 輸入許可日
    ※特例申告の場合は、申告日または決定通知日も必要
  • 課税貨物の内容
  • 課税標準、消費税、地方消費税の額
  • 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称

です。

税額と申告書

輸入許可通知書には、税額として

  • 関税
  • 消費税
  • 地方消費税

の記載があります。

このうち

  • 消費税

つまり、消費税(国税分)の課税期間の合計額を、消費税の申告書に記載することになります。

輸入消費税は、国内取引で支払った消費税とは別に

  • 課税貨物に係る消費税額

の欄に記載します。

付表2-3
消費税及び地方消費税確定申告書(付表2-3)

おわりに

輸入消費税の概要と仕入税額控除について解説しました。

消費税の申告書を作成する際は、国内取引とは分けて処理することになります。

輸入許可通知書が必要になりますので、忘れず保管しておきましょう。

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