外国語が好きです。
音楽を聴くように、外国語をBGMとして楽しむこともあります。
母語に存在しない音を、聞いたり言ってみたりするのはとても楽しいです。
同じ人間なのに、聞き分けられなかったり上手に言えなかったりするのは、本当に不思議ですよね。
そんな私の、映画やドラマの楽しみ方とお気に入りの作品をご紹介します。
私は語学学習の専門家ではありませんので、この記事は「この作品を観てこんな風に勉強したら話せるようになりますよ♪」という内容ではありませんが、映画やドラマを楽しむ際の参考になれば幸いです。
学習方法をお探しの方は、専門家の著書や記事等をご参照下さい。
多言語の楽しみ方
Genius
少し前に「Genius」を観ました。
Season1のAlbert Einstein(アルベルト・アインシュタイン)の話です。
原作はこちらだそうです。
主な舞台はヨーロッパですが、作成したのはアメリカの会社で、作品の原語は英語です。
ドイツ語と迷いましたが、とりあえず英語を選んで再生を始めました。
ところが、冒頭シーンの景色やエピソードが

これ絶対ドイツ語で観るやつやん!
だったのです。
詳細は書きませんが、当時のドイツを象徴するような一場面でした。
ということで、ドイツ語に変更して最初から観なおすことにしました。
Disney+では、英語のみの作品もありますが、多くの作品が、音声も字幕も複数の言語から選択できます。(言語数は作品によります。)

さて、観る前は、科学の難しい話や専門用語が多そうだなと思っていました。
ドイツ語は結構忘れてしまっていますし、最初は英語で観ようとしていたぐらいですから、「ドイツ語を楽しむ」という意味ではあまり期待せずに観始めました。
ところが観ているうちに、ドイツで暮らしていた頃に使っていた言葉や文章が、溢れんばかりに鮮やかに蘇ってきました。
難解な単語や言い回しは少なく、日常会話満載の作品だったのです。
ドイツで実際に聞いたり言ったりしていたフレーズが出てくるたびに、当時のことを思い出したり、声に出してみたくなったりして、夢中で観てしまいました。
そして何といっても、ドイツ語の音声が、人々の言動やその背景、周囲の景色などに劇的にピッタリ合っていました。
言語は、その国や地域の、文化や歴史といった背景を含めて成り立っています。
外国の映画やドラマを観るときは、その場所の言語で観ると、より楽しめるのではないかと思いました。
作品の主な舞台はヨーロッパですので、ドイツ語のドイツ、オーストリア、スイスだけでなく、フランスやイギリス、イタリア、セルビアも出てきます。
簡単に別の言語の国に行けるヨーロッパの話は、多言語を楽しむのに最適ですね。
結局全編ドイツ語で観てしまいましたが、フランスのキュリー夫妻の場面や、イギリス紳士が集まった議会の様子などは、フランス語や英語で観た方が楽しめたかもしれません。
アインシュタインはキュリー夫人と知り合いだったようで、二人が話す場面もありました。

何語で話していたのかな?
そして終盤はアメリカです。
家の中での会話はともかく、街で出会ったアメリカ人の女の子と話すところは、英語で観ればよかったですね。
もちろん内容も素晴らしかったです。
アインシュタインというと

↑この、舌を出したイメージが強く

きっと賢すぎて変な人なんだね。
と思いつつ、名言集などを見ると

激しく同意!
となるので

変な人と意見が同じって微妙…。
と少し複雑に思っていましたが、只々アインシュタインさんについて、誤解をし何も知らなかっただけでした。
天才=奇人と考えがちですが、後年は、周囲の誰よりも人の気持ちを慮る、とても温かくて心優しい人だったようです。
だから日常会話がたくさん出てくる作品になったのですね。
観賞中は何度も号泣し、アインシュタインさんが大好きになりました。
「Genius」のSeson2はピカソです。
スペイン語で観たいですね。
サッカー選手の言葉
話は変わりますが、サッカー選手には語学堪能な方が多いですよね。
川島永嗣さん、長友佑都さん、吉田麻也さんなどが有名でしょうか。
そしてその先駆けといえば中田英寿さんではないかと思います。
イタリアのチームの入団会見やインタビューで、イタリア語を話していたのが印象的でした。
今では、スポーツ選手が外国語でインタビューに答えることも少なくありませんが、当時は珍しかったように思います。(古くてすみません。)
野球の長谷川滋利さんも話題になりましたよね。(もっと古くてすみません。)
話をサッカーに戻して、その中田英寿さんが、何かの取材で
「その国に行きたいと思うのなら、その国の文化や言葉を学んでから行くべきだ。」
というようなことを言っていました。(正確なセリフは覚えていませんが…。)
それを聞き、私はドイツの文化とドイツ語の勉強を始め、のちにドイツで暮らしたのでした。
行ってみたい国があるのなら、その土地に住む人々の考え方や習慣、そして言語を学んでから行きたいですね。
その場所にいちばんピッタリ合うのは、やっぱりその場所の言語です。
作品の選び方
作品選びのジレンマ
英語学習のひとつの方法として人気なのが、アメリカの映画やドラマですよね。
日常会話が多く含まれるものが、おすすめとしてよく紹介されています。
ドラマだと、昔なら「Friends」、最近は「Sex and the City」でしょうか。
英語学習界隈(?)では知らない人は居ない、↓この方と
↓この方の影響ですね。
特にCozyさんは、著書やブログなどで、英語学習におすすめの作品をランキング形式で教えてくれているので、参考にされている方も多いと思います。
私も作品選びの際によく確認していました。
観たい作品を決めて

選ばれてるかなー?何位かなー?
と、わくわくしながら探すのですが

ない…。
そこで、自分の好みではなく、Cozyさんのおすすめの中から選んで観始めるのですが

おもしろくない…。
重々ご承知だと思いますが念のため申し上げておくと、作品が悪いのではなく、単なる個人的な好みの問題です。
インターネット上には、「Friendsで話せるようになりました!」「Sex and the Cityめっちゃいいです!」という声がたくさんあります。
もちろん観て楽しむだけでは学習にはなりませんが、おすすめなのは間違いないのだと思います。
BONES
そんな私がDVDで全話持っているのが、「BONES」です。(Season1~3は貸出中です。)

今Disney+で観ることができます。
主人公は骨が専門の法人類学者(Brennan)で、FBIの刑事(Booth)と、研究所の同僚たちが主な登場人物です。
Brennanも研究所の同僚も、めちゃくちゃ賢い天才たちです。
研究所での分析や解剖シーンは専門用語だらけで、きっと日本語でも難しいです。
そしてBrennanは、親しい友人が同僚のAngelaだけなので、彼女との会話だけ、日常でも使えそうな普通の内容がたまに出てきます。
でもBrennanはちょっと変な人なので、真似をしていいのはAngelaの方だけです。(笑)
ちなみにBrennanは、ずっと「ブレネン」だと思っていたのですが、日本語訳では「ブレナン」だそうです。

絶対「ぶれねん」って言ってるんだけどな…。
また

Boothに呼びかけるとき、みんなすごく舌を出すね…。
といった、興味深い発見もあります。
原語で観ると、口の動きが見られるのでいいですね。
Castle
最近よく観ているのは「Castle」です。
同じく「捜査もの」ですが、主人公は小説家(Castle)です。
もちろん相手役は刑事(Beckett)で、警察の同僚も登場しますが、「BONES」に比べると日常会話が多いです。
特にCastleの、家での家族との会話には、真似をしたいと思う表現がたくさん出てきます。
娘のAlexisが、めちゃくちゃかわいくて、とにかくいい子で、CastleとAlexisの会話が毎回楽しみです。
Castleのお母さん(Martha)も素敵な人で、家の中の場面は心温まる会話が多いです。
ちなみにこの作品でも、Beckettは「バケット」だと思っていたのですが「ベケット」でした。

どう考えても「ばけっと」って言ってるよね…。
それを言うなら、Castleは「キャッスル」ではなく「キャソゥ」ですけどね。(笑)
「Castle」はNYの話なので、これぞアメリカという感じで面白いです。
私が覚えた単語
ちなみに、私がこれらのドラマを観て新しく覚えた単語は
です。
suspect(容疑者)やbody(死体)は、別の意味で使うこともありますが

murderは使わん…。
ミステリー好きの方には、頻出単語です。(笑)
アニメーション
アニメも好きでよく観ます。
Monsters, Inc.
ディズニーでは、「Monsters, Inc.(モンスターズ・インク)」が好きです。
Cozyさんのランキングによると

7位か…。
Disney+では、モンスターズ・インクはシリーズ化されていて、続編映画の「Monsters University(モンスターズ・ユニバーシティ)」はもちろん
「Monsters at Work(モンスターズ・ワーク)」という、25分程度×10話の作品もあります。
モンスターズ・ユニバーシティは大学生の友人との会話、モンスターズ・ワークは会社員の同僚との会話がたくさん出てきます。
マシンガントークの人(?モンスター)が多いので、聴くのも真似をするのもなかなか難しいですが、本編(モンスターズ・インク)よりは、普段の会話と似た場面が多いのではないかと思います。
誰か一人を選んで、なりきって真似をするのも面白いですね。
Up
もうひとつおすすめなのが「Up(カールじいさんの空飛ぶ家)」です。
ラヴィットで田村真子さんが号泣していましたね。(笑)
こちらもシリーズ化されていて、「Dug Days(ダグの日常)」という10分程度×5話の作品があります。
おじいさんはゆっくり話してくれますし、文章も短いので、初めて母語以外で観てみようという方も楽しめると思います。
WALL-E
それと最後にもうひとつ、劇的に会話が少なく、語学学習にはほぼ役に立たない(?)ですが、おすすめの超感動作が「WALL-E(ウォーリー)」です。
こちらも、ラヴィットの田村真子さん号泣案件ですね。(笑)
英語を聴こうと思って一生懸命作品を選んでいたのに、冒頭を再生し

全然しゃべり出さないなー。
と思いながら、ついついそのまま最後まで観てしまいました。
アニメーションは感動して泣いてしまう作品が多いですよね。
お子様はもちろん、大人にもおすすめです。
おわりに
Disney+のおすすめ作品をご紹介しました。
外国語を楽しみたいときは、原語か、その物語の舞台の言語を選ぶとよいですね。
また、日常会話が少ないジャンルが好きな場合は、無理に好みでない作品を観ても楽しめません。
好きな作品の中で、主人公や主な登場人物が「おしゃべりが得意な人」であるものを選ぶと、作品も外国語も両方楽しめるのではないかと思います。
Disney+で選択できる言語がもっと増えるといいですね。