事業には事業用の口座やクレジットカードしか使わないと決めていても、銀行やカードの種類による事情や、ちょっとした小銭など、やむを得ずプライベートのものを使うこともありますよね。
そんなときに使うのが事業主勘定です。
具体例や仕訳とともにみていきましょう。
事業主勘定
概要
個人事業主の方の入出金というと、登場するのは主に以下の6つです。
事業とプライベートはきっちり分けておきたいと思いつつも、事業に関する入出金にプライベートの銀行口座やクレジットカードを使うことはよくありますよね。
特に開業当初は、銀行口座やクレジットカードの準備が間に合わず、プライベートのものから入出金をすることも多いのではないでしょうか。
また、プライベートの入出金を、やむを得ず事業用の銀行口座やクレジットカードですることもありますよね。
そんなときに使うのが事業主勘定です。
「貸」と「借」があべこべで、どっちがどっちだっけ?となりそうですが
です。
仕訳例
では具体的な仕訳例をみていきましょう。
事業用を使った場合
まずは普通に事業用を使った場合を確認します。
(賃借料)××/(普通預金)××
(通信費)××/(未払金)××
(未払金)××/(普通預金)××
(消耗品費)××/(現金)××
(売掛金)××/(売上)××
(普通預金)××/(売掛金)××
以上、事業用の口座・クレジットカード・現金を使った場合を確認しました。
プライベート用を使った場合
ではこれがプライベートの銀行口座・クレジットカード・現金だった場合はどうなるでしょうか?
すべて事業主勘定で処理できます。
(賃借料)××/(事業主借)××
(通信費)××/(事業主借)××
(消耗品費)××/(事業主借)××
(売掛金)××/(売上)××
(事業主貸)××/(売掛金)××
いかがでしょうか?
銀行口座でもクレジットカードでも現金でも、プライベートのものはすべて事業主勘定で処理できます。
現金を引き出したり振替をしたときはどうなるの?
そんなときも事業主勘定です。
(事業主貸)××/(普通預金)××
(事業主貸)××/(普通預金)××
(普通預金)××/(事業主借)××
おわりに
事業用とプライベート用をきっちり分けておくのは大切なことです。
でもやむを得ず混ざってしまう場合には事業主勘定で処理することができます。
絶対に事業用の銀行口座やクレジットカードで支払わなければならないわけではありませんので、柔軟に対応しましょう。