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不動産の課税区分:賃貸アパートの駐車場は課税?非課税?

税金
税金

駐車場付きの賃貸アパートの経営をしています。

ご近所さんに「空室の部屋の駐車場だけを貸してくれないか」と頼まれたんですが…。

くま税理士
くま税理士

なるほど。ご近所付き合いは大切ですよね。

でもちょっと問題があるかもしれません。

賃貸アパートの駐車場というと

  • 駐車場代込み(敷地内)
  • 敷地内駐車場 別途〇〇円
  • 近隣駐車場 〇〇円

などなど、色々条件がありますよね。

貸し方によって消費税の取扱いが違ってきますので、詳しくみてみましょう。

賃貸アパートの家賃と「住宅の貸付」

賃貸アパートの家賃は

  • 住宅(居住用)で
  • 貸付期間が1か月以上

であれば非課税です。

住宅の家賃は、一般的に生活費の中でもその占める割合が大きいですよね。

生活に直結している大きな支出ですので「社会政策的な配慮に基づくもの」という理由で非課税になっています。

一方、店舗や事務所などの事業用として賃貸した場合は課税取引になります。

貸付期間が1か月未満というのは、ウィークリーマンションなどが該当しますね。

短すぎると「住宅」というより「施設」に近くなるので、非課税の対象から除外されています。

なるほど。ワシの賃貸アパートは全員居住用じゃから非課税じゃな。

ちなみにペットはOKじゃ。ペットも大切な家族じゃからな。

家賃まとめ

貸付の内容課税区分
住宅の貸付
(居住用)
貸付期間が1か月以上非課税
貸付期間が1か月未満課税
店舗・事務所等の貸付
(居住用以外)

駐車場の料金と「土地の貸付」

駐車場の貸付は、ほとんどの場合課税取引になります。

たしか土地を売ったり貸したりしたときは非課税だったんじゃないかい?

駐車場も土地を貸しているのと同じじゃないのかね?

くま税理士
くま税理士

よくご存じで。たしかに土地の譲渡や貸付は非課税です。

でも駐車場の貸付は、たいていの場合「施設の貸付」や「サービスの提供」になります。

駐車場経営をする場合、通常はフェンスをたてたりアスファルトを敷いたり、整備をして貸し出しますよね。

砂利敷き程度だったとしても、区画の目印や車止めぐらいは設置するんじゃないでしょうか。

また、まったく整備されていない青空駐車場でも、契約車両についてなにかしら管理をしている場合もあるでしょう。

このように少しでも整備していたり、駐車している車の管理などをしていたりすると、土地の貸付ではなく、施設の貸付やサービスの提供ということになります。

そうじゃそうじゃ。

賃貸アパートとは別に近隣で駐車場経営もしとるが、そっちは消費税をもらっておったわ。

ちなみに、駐車場を経営する別の人に「駐車場用地」として土地をそのまま貸した場合は、「土地の貸付」ですので非課税取引になります。

土地は消費しないので「課税の対象とすることになじまないもの」という理由で非課税になっています。

また、土地の貸付にも住宅の貸付の場合と同じく、貸付期間の条件があります。

土地の貸付まとめ

貸付の内容課税区分
土地の貸付貸付期間が1か月以上非課税
貸付期間が1か月未満課税
駐車場の貸付整備・管理あり課税
整備・管理なし非課税
駐車場用地の貸付非課税

賃貸アパートの付属駐車場の取扱い

そうすると、賃貸アパートの付属駐車場も課税になるのかの?

くま税理士
くま税理士

駐車場代を家賃とは別にもらっている場合は課税になります。

いやいや。家賃に込み込みじゃ。

駐車場代を別途もらっていない場合で

  • 1戸当たり1台分以上の駐車スペースが確保されている

ときは、「駐車場付きの住宅」として、全体が「住宅の貸付」と認められて非課税になります。

入居者の自家用車の所有の有無にかかわらず、全戸に割り当てられていることがポイントです。

例えば

  • アパートは16室あるのに駐車場は10台分

なんて場合はダメです。

なるほどな。あくまで部屋と駐車場はセットなんじゃな。

くま税理士
くま税理士

そうですね。

駐車場が住宅の貸付に「不随している」と認められると全体が非課税になります。

ようわかった。

ご近所さんには、別の場所にある駐車場だけの方を貸してやることにするわい。

賃貸アパートの付属駐車場が非課税になる条件
  • 駐車場代を別途もらっていない
  • 1戸当たり1台分以上の駐車スペースが確保されている

おわりに

賃貸アパートの付属駐車場の取扱いとともに、土地と建物の課税区分についてお話ししてきました。

消費税の納税義務や簡易課税制度の判定には課税売上高が使われます。

居住用の賃貸アパートだけでなく、事業用の貸ビルや駐車場の経営をされていたり、ほかの事業収入があったりする場合は、課税区分と課税売上高を今一度確認しておきましょう。

最近は、カーシェアリングやレンタカーなどのサービスも盛んで、特に若い人の自動車所有率は低いですよね。都会や駅近なら車は必要ないかもしれません。

ですが、田舎や郊外のベッドタウンなど、車社会の地域では駐車場は必須ですので、借りる側にとっても家賃に込み込みで非課税だと嬉しいですよね。

先祖代々の土地に賃貸アパートを建てようかなーというときには、駐車場の取扱いも忘れずに検討しましょう。

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