この度
を始めました。
多くの困難を乗り越え、ようやく楽器と対面することができました。
その壮大な(?)物語をご紹介します。
ヴィオラに沼った日
私は子どもの頃、3歳から10年程度ピアノを習っていました。
当時は定番の習い事だったので、同世代の方(特に女性)なら、同じ経験を持つ方が山ほど居ると思います。
そして、幼少期にピアノを習っていた方なら、一度は弦楽器、特に

ヴァイオリンに憧れるー♪
となりませんでしょうか。
ご多分にもれず、私も大人になってから、20代の頃に少しだけヴァイオリンを習ったことがあります。
ただその時は、月に2~3回、教室にある楽器を借りてレッスンを受けるというスタイルで

毎回が体験レッスンみたいなものですね。
それでも、超初歩的なことはそれなりに習得し、うまい下手は別として、いわゆる
は弾けるようになりました。
結局外国に住むことになり辞めたのですが、とても楽しくて大満足の習い事でした。
そんな良い思い出しかないヴァイオリンですから、折に触れて

またやりたいなー♪
と思いたち、楽器を探したり動画を観たりしていました。
ところがある日を境に、ヴァイオリンではなく、どうしてもヴィオラが気に入ってしまったのです。
事の発端は、この再生リストです。
弦楽器のアンサンブル(四重奏など)が好きで、特にEine kleine Nachtmusikは、お気に入りの曲です。
ただ、私は3楽章と4楽章が好きで、有名な1楽章や、それに続く2楽章までなら動画がたくさんあるのですが、全楽章が鑑賞できる動画は意外と少ないです。
そんな中で見つけた動画が含まれていたのが、この再生リストです。
各パートだけの演奏と、各パートが単独で練習できるようにその他のパートだけが収録された動画があります。

なんて面白そうなのでしょう!
と、早速各パートを聴いてみたところ、その中で、なんとも言えず、ヴィオラが気になってしまったのです。
そしてそこから少しずつ、ヴィオラについて調べるようになり、虜になってしまったという次第です。
特に、ヴァイオリンでは出せない低音域に、とても惹かれました。
もし実際に弾くとしたら、耳のすぐ側で鳴るわけですから、老体(老耳)には高音が堪えそうだなと危惧してしまうのも、ヴァイオリンよりヴィオラを選びたくなる理由のひとつかもしれません。

モスキート音は、とうの昔に聞こえなくなりました。
まさかの「年齢が理由」説です。(笑)
ちなみに、Eine kleine Nachtmusikは、数え切れないくらい何度も聴いて、よく知っている曲なのに、パート別に聴いてみると新感覚でした。
指揮者や演奏者は、すべて聴き分けているんだよなーと改めて感動し、それ以来、各楽器の音色により意識を向けるようになりました。
自分に合った方法は?
そんなわけで、50歳を目前にして、新たにヴィオラを始めてみたくなりました。
とは言っても、私の場合は、幼い頃にピアノを習っていたので、音楽の基礎的なことは身についています。(本人の努力ではなく100%親のおかげです。)
そして、最も近い楽器(ヴァイオリン)には、既にそれなりに触れたことがあります。
そうなると、この状態で
に、果たしてどれほどの意味があるのかと、少々疑問に感じます。
まず、全く初めてで触ったことすらない場合は、対面で手取り足取り指導してもらった方が良いと思います。
特に弦楽器は、構え方もさることながら
が独特です。
私もヴァイオリンを習ったときに、素人にとって想定外の持ち方に驚き、しばらく上手に持つことが出来ず

指がめっちゃ痛い…。(正しく持てていないため)
と苦しみました。
直接目の前で教えてもらっていたのに、このありさまです。
ですので、最近は動画で調べることも出来ますし、オンラインレッスンもありますが、全く初めての場合は、数回でもいいので、対面でレッスンを受けるのが望ましいと思います。
一方、初心者だけれど、全く初めてではない場合はどうでしょうか。
いわゆる

基礎練あるのみ!
みたいな時期です。
まだ
といったレベルにも達していない状態です。
当然、難度の高い細かい指導を受ける段階ではありません。
もちろん、基礎練習を見てもらい、隅々まで懇切丁寧な指導を受けることはとても良いことです。
特にお子さんや若い方で
といった方なら、絶対に必要ですよね。
けれど私はもう若くないし、自分が楽しむことだけが目的です。

「音楽」は「音を楽しむ」と書きます。
間違ったまま練習してしまって、変な癖が付いてしまったりしても、何ひとつ困りません。(笑)
そして、そういうことに自分で気づけるとしたら、それは多分たくさん練習した後なのだと思います。
ともすれば、初心者の失敗事例として、興味深い学びとなり、それ自体も楽しめるかもしれません。
自分で「のびしろ」を増やしているとも言えますね。(下側に!笑)
タイパとは真逆の、長く楽しみ続けるための

時間稼ぎです。
ということで
あたりが難なく出来る程度までは、まずは独学でやってみようと思います。
毎日コツコツのんびりと、老後に向けて(!)超長期計画のスタートです。

2年後くらいには何か弾けるようになっているかなー。
いつやるの?今でしょ
さて、いざ独学で進めるとなると、教材が必要です。
そこで、YouTubeで色々探してみました。
ヴァイオリンに関するチャンネルは、これまでにも時々観ていて、その中でヴィオラにも触れている動画はありました。
また、ヴィオラ専門のチャンネルも、ごく僅かですがありました。
ただ、演奏動画が中心で、自分に合うようなレッスン動画は見当たりません。
継続して常時探しているというよりは、期間をあけてふと思いついたときに調べてみるという感じでしたが

ヴァイオリンはたくさんあるけど、ヴィオラのはなかなか無いね…。
ということが、何度か続きました。
構え方やボーイングなんかは、ヴァイオリン用の動画でも

同じっちゃー同じだけど…。
と思いつつ、でも

大きさが違うしな…。
と思い直し、しかしながら

体格によって人それぞれだから、やっぱり同じかな。
などと考えたり、けどやっぱり、音階練習だけはヴィオラ用でないと

混乱しちゃうかもね…。
と錯綜し、結局最終的に、初心者なんだから

やっぱり素直にヴァイオリンにしようかな…。
と諦めかけるというパターンが、2~3回ありました。
そんなこんなで迎えた今春のある日、また性懲りもなく調べてみたところ、ついに良さそうな動画を発見したのです。
それがこちらの音階練習の動画です。
どうやら昨年開設された、ヴィオラ専門のチャンネルのようでした。
他の動画も一通り観て、自分の具体的な独学の進め方が、見えてきたように感じました。

これだ!
目標が明確になり、その目標に適した教材をついに見つけたのです。
ただ、実はもうひとつ、懸念事項がありました。
それは
ということです。
人間の日常的な動きとしては、ちょっとおかしな姿勢や動作を、50年近くほぼ経験がないのに、これから急に毎日続けようとしているのです。
演奏はリラックスした自然な姿勢でするものですが、そうは言っても、慣れるまでは、余計な力が入ってしまったり、体を痛めるような姿勢で続けてしまったりする可能性もあります。
楽器の演奏に関わらず、慣れていて正しい姿勢で行っていたとしても、毎日同じことを長時間続けると、どこかを痛めたり、腱鞘炎になったりといった、職業病のような話はよく聞きます。
必要以上の長時間ではないにしても、練習は

毎日続けることが絶対に必要
ですから、体のどこかに不調をきたし、続けられなくなるのではないかという不安がありました。
ところが、上述の動画の発見と、ほぼ時を同じくして、この体の心配も、きれいさっぱり消え去る出来事がありました。
昨年肩を痛めたことをきっかけに、とても良い整形外科の病院(医師)を見つけ、リハビリにも通ったことで、とても良い理学療法士さんにも出会うことができたのです。
元々自分に合った病院を探すのは得意な方なのですが、整形外科は機会が少なかったこともあり、かかりつけの病院を決められていませんでした。
それが人生の後半に差し掛かったところでついに見つかり、まさしく怪我の功名でした。
治療で通ったことで、今後老いていく体についても詳しく教えてもらうことができ、何か不調があったときに、自分で何とかできるであろう範囲が広がったように感じました。
そして、自分でどうにもできないときには、すぐに飛び込む先があるという状態になりました。

こんなに安心できることはないですね。
これで、体のことを気にして加減したりすることなく、全力で練習に取り組むことができます。
ということで、背中を押してくれる2つのことが、ほぼ同時に起き、これはさすがに

今でしょ。
と思い、ついにヴィオラを始めるべく、具体的な行動を開始することとなりました。
ニッチすぎた楽器
さて、楽器を始めるとなると、とりあえず一度、実物をさわってみたいものです。
そこで体験レッスンを探してみました。
思った通り、ヴァイオリンのレッスンは山ほど見つかります。
そして、比較的楽器の種類が多い教室で、ヴァイオリンの次となると

チェロ!
になるんですね。
ポピュラーランキング(?)は、小さい順(ヴァイオリン→ヴィオラ→チェロ→コントラバス)だと勝手に思い込んでいたのですが、どうやら違うようです。
確かに、初心者が趣味で楽器を始めるときに、超メジャーな楽器(ヴァイオリン)があるのに、それのちょっと大きいだけに見える楽器(ヴィオラ)をわざわざ選びませんよね。
それなら、大きさも弾き方も全く異なるチェロを選ぶのが普通です。

なるほど、そうなるか…。
そして、ヴィオラについては、一応記載はあるけれど、実際には開催していないなんてこともありました。
となると、楽器店の店頭で見せてもらうしかありません。
ところが、ヴィオラに関しては、それすら困難なことだったのです。
職人さんの工房などならあったのかもしれませんが、購入できる価格かどうか見当が付きませんし、素人がちょっと見てみたいだけで行ってもよいのかと、躊躇してしまいます。
そこで、全国展開の大型店で探してみたのですが、近隣の店舗では、単純に店に置いていないことがわかりました。
何を隠そう

大都会大阪!
にある店舗も含めてです。
これにはさすがに驚きました。
神戸市民的には、神戸に無いのはそれなりに納得しますが、大阪にまで足を伸ばしたとしても実物を拝むことができないというのは、尋常ではありません。
情報の少なさから薄々感じてはいましたが、ここまでレアキャラだとは思いませんでした。
ヴィオラさんには

私に会おうだなんて100年早いわ。
と言われているかのようです。(Violaは女性名詞です。)
問合せに親切に対応してくださった神戸の店舗の方には、系列の東京の店舗から、おそらく全店唯一の1台を「取り寄せて見てもらうことができます。」と連絡を頂きました。
ただ、神戸の店舗には、弾けるスタッフがいらっしゃらず、音が聴きたい場合は、自分で試奏するしかありません。
オンラインで楽器を見せてもらえるサービスもあるようでしたが、スタッフによる試奏は、東京の店舗への来店時のみとのことでした。

どうやら色々詰んでいるようです…。
まず、もし実物を見ることができた場合、何が一番確認したかったかというと
です。
体格的におそらく長さは大丈夫だろうと思ったので、どちらかというと重さの方が気になっていました。
また、素人ですから、音質の方はどうせ分からないので気になりませんが、音を聴けるのであれば、音量がどの程度か確認したいなとは思っていました。
ただ、ヴァイオリンを習っていたのはもう20年近く前ですし、専門家の居ないところで、自分だけで安全に正しく試奏し、まともな音が出せるとは思えません。
なので、音を聴くことを諦めるとすると、もし取り寄せてもらったとしても

で!?
と、わずか数秒の来店となりそうです。
そんなことのために、わざわざ繊細な楽器を運搬してもらうのは、リスクもありますし申し訳なく思います。
以上のように、東京近郊にお住まいの方以外は、体験どころか実物を生で見ることすら難しいヴィオラさんなのでした。

簡単に私に会えると思わないでね。
もはやこれまで、万策尽き果てて

これはもうぶっつけ本番でいくしかないね。
という、ことの運びとなりました。
分不相応な高級品
ぶっつけ本番となると
といったリスクがあります。
だからと言って、安すぎるものは避けたいです。
初めてだからこそ、お試しだからこそ、そこそこまともなホンモノで体験しないと、うまく取り扱うことができず、すぐに諦めてしまう恐れがあります。
これは楽器だけでなく、ものづくりの道具などでも同じですね。
無知だからこそ

楽器(道具)のせいで下手なのかも…。
という疑念を抱いてしまう可能性は、取り除いておきたいです。
ちなみにヴァイオリンなら、常々よく検索して見ていたので
があることは知っていました。
さすがに激安のものは候補にしませんが、7~8万円あたりのものなら良いかもしれないなとは思っていました。
そこでヴィオラでも探してみたところ、一気に数は少なくなりますが、同程度のものはあるようでした。
ただし

レビューゼロ…。
ここでも、ニッチ具合を遺憾なく発揮するヴィオラさんです。
販売サイトのレビューはもちろん、体験談のブログ記事やYouTube動画なども一切見当たりません。
ヴァイオリンと同じメーカーと思われるものもありましたが、事前情報が皆無というのは、さすがに二の足を踏みます。
そこで思い出したのが、YAMAHAの
です。
音レントは、レンタルサービスですが、レンタル期間中に支払済のレンタル料を充当して
することもできます。
元々購入して長く使いたいと思っていた私にとっては、多少語弊があるかもしれませんが

途中でやめられる分割払い!
という、著しく都合の良いサービスです。
ヴィオラは1モデルしかなく、価格は187,000円です。
これを
で
支払うと、自分のものになります。(これ以外に登録料2,200円も必要です。)
ちなみに
は支払いが必要です。

6万円くらいかな。
これなら、万が一続けられなくて解約したとしても、上述の比較的安価なものを購入するのとほぼ同じです。
楽器は手元に残りませんが、ともすれば、こちらの方が出費が抑えられるくらいです。
そして何と言っても、趣味で始める初心者が手に取るには上質すぎる本格派の品を、わずかな出費で試してみることができるのです。
演奏家にとっては初心者向けのモデルかもしれませんが、素人にとっては、20万円の楽器なんて、分不相応で十分すぎるほど高額です。
最終的には購入するつもりだとはいえ、こんなに有難いことはありません。
ということで、意気揚々と6月の初めに申込をしました。
すると、案の定

在庫がないので2~3ヶ月待ちになります…。
という連絡を頂きました。
とても申し訳なさそうに言ってくださったのですが、簡単には会ってくれないヴィオラさんのことですから

その程度ではもう驚きませんよ。
と余裕の対応です。
それどころか、待っている間は

今私のために作ってくれている。
と、オーダーメイド気取りで、お門違いの優越感すらありました。(笑)
そして待つこと2ヶ月半、8月のお盆明けに、ついに彼女がやって来てくれました。


ようやく出会えた私のヴィオラさん。

ようこそ我が家へ。
おわりに
この度、新たに始めてみることにした
との、出会いについてご紹介しました。
実際に楽器を手に取るまでの道のりがあまりにも長く、それだけで長編ドキュメント(?)になってしまいました。
既に色々さわって、少し弾いてみたりもしているのですが

それはまた別の話。
ということで、次回もお楽しみに。




