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予定納税と予定納税額の減額申請手続

税金
税金

予定納税って何ですか?

くま税理士
くま税理士

所得税の前払いです。

確定申告書等作成コーナーで、最初に手が止まるのが

予定納税の質問
確定申告書等作成コーナー:申告書の作成をはじめる前に

「申告内容に関する質問」の

  • 税務署から予定納税額の通知を受けていますか?

の箇所ではないでしょうか。

この

  • 予定納税

について解説するとともに

  • 予定納税額の減額申請手続

も合わせて紹介します。

予定納税

概要

予定納税とは、まだ確定していない所得税を概算で前払いしておく制度です。

会社員の源泉徴収と似ていますね。

くま税理士
くま税理士

そうですね。払い方が違いますが似ていますね。

会社員の源泉徴収は、会社が給与から天引きして代わりに支払ってくれますが、予定納税は、自分で納付する必要があります。

いずれにしても、概算の前払いですので、あとで正しい税額に清算されます。

例えば、予定納税が30万円で

  • 申告納税額が50万円なら、残りの20万円を納付
  • 申告納税額が20万円なら、差額の10万円は還付

ということになります。

申告書
所得税確定申告書(第一表):税金の計算

令和4年分の申告書では、49番が申告納税額で、その下の50番が予定納税額です。

差引して、最終的に納付の場合は51番に、還付の場合は52番に、金額が表示されます。

ただし、会社員の源泉徴収と違って、予定納税をするのは全員ではありません。

対象者は

  • 予定納税基準額

が15万円以上の人だけです。

予定納税基準額

予定納税基準額って何ですか?

くま税理士
くま税理士

たいていは前年分の申告納税額です。

令和4年分の場合は、49番が申告納税額です。

申告書
所得税確定申告書(第一表):税金の計算

ただし、前年分に

  • 山林所得
  • 退職所得等の分離課税の所得
  • 譲渡所得
  • 一時所得
  • 雑所得
  • 平均課税を受けた臨時所得

といった所得があった場合や、前年分について

  • 外国税額控除
  • 災害減免法の規定

の適用を受けている場合は、該当の所得を除外する等の計算をして、予定納税基準額を算出します。

納税の手順

予定納税が必要な場合には、その年の6月15日までに「予定納税額の通知書」が税務署から送付され、予定納税基準額の3分の1の金額を

  • 第1期分(7月1日から7月31日まで)
  • 第2期分(11月1日から11月30日まで)

に納めることになっています。

e-Taxを利用している場合は、申告に関するお知らせでも、予定納税額を確認することができます。

分割払いのような感じですね。

くま税理士
くま税理士

そうですね。予定納税をすることで、翌年の3月に一括で多額の納税をしなくてもよいようになっています。

予定納税額の減額申請手続

去年はたくさん税金を払いましたが、今年は少なくなる予定です。

くま税理士
くま税理士

見積額を計算すると、予定納税の減額申請ができる場合があります。

予定納税をしなければならない人が

  • 廃業、休業、失業、業績不振等
  • 災害、盗難、横領などで損害を受けた
  • 所得控除や税額控除が前年より増える
  • 上記以外の特殊な事情が生じた

といった理由で、納税の見積額が、予定納税基準額に満たないと見込まれる場合には、予定納税の減額を申請することができます。

申請書の提出期間は

  • 第1期分と第2期分の両方:7月1日から7月15日まで
  • 第2期分のみ:11月1日から11月15日まで

で、以下のような書類を提出します。

減額申請書
予定納税額の減額申請書

理由を具体的に書かなければならないのですね。

くま税理士
くま税理士

はい。見積額の詳細や、計算の基になる資料も必要です。

事業所得の場合は、日頃から経理をして、見積額を計算できるようにしておきたいですね。

おわりに

確定申告書等作成コーナーで、いつも最初に質問される

  • 予定納税 と
  • 予定納税額の減額申請

について解説しました。

予定納税によって納めた金額は、最終的に正しい税額に清算されます。

余裕をもって分割納付ができるといいですね。

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