私は、標準語と関西弁と神戸弁のマルチリンガルです!
全部日本語だよね…。それは多言語って言わないんじゃない?
正しい標準語って、意外と難しいんですよ!
複数の話し方を操る私が
についてどのように考えているのかを、ご紹介します。
あなたは標準語を使う派?
先日、ご近所(関西)にお住まいで、標準語で話される方と面談をしました。
ご出身は関東ですか?
と伺うと、ご出身もご近所(関西)でした。
全国展開の店舗を運営する大きな企業に、新卒時から長く勤められていた方です。
その最初の配属先で、社長に
仕事のときは標準語で話しなさい。
と言われ、標準語を使うようになったそうです。
ちなみにこの社長さんも、首都東京からは遠く離れた、地方のご出身です。
そして私も、よく標準語を使います。
関西在住の関西弁ネイティブであるにも関わらずです。
人生において、他の地域の方言を話す方と出会うことになるのは、転校や引っ越し、地元以外の高校や大学への進学、そして社会人になったときなどです。
地元の高校を卒業した神戸出身者に限って言うと、大学生になったタイミングで、神戸弁の代表として挙げられる
を使うと、関西以外の方はもちろん、大阪をはじめとする神戸以外の関西出身者にも
たまに通じにくいことがある…。
ことを察します。
そして、イントネーションなどは関西弁のまま、会話の端々で、そっと
だけを
に置き換えていくことになります。
実際に、高校まで同じように育ち、大学以降ずっと大阪が拠点となった親族の口からは、神戸に戻ってきているときでも、この「とう」を聞くことはなくなりました。
また、私自身もほとんど使わなくなりました。
もちろん、ずっと「とう」を使い続ける方もいらっしゃいます。
私も、20代の間は、神戸でしか働いたことがありませんでしたので、近隣の出身者ばかりの職場では、再び神戸弁が幅を利かせることもありました。
ところが年を重ね、お隣の大都会大阪へ出稼ぎに行くようになると、状況は一変します。
神戸弁か大阪弁か、どころの話ではありません。
全国各地から、人が集まってきています。
そうなると、ここからは人によりますが、私の場合は、相手に合わせた方が伝わりやすいと感じました。
また、単純に
つられちゃうんだよね…。
というのもあります。
そして、関西以外の方言のある方が、どのような調整をしているのか、これも人によると思いますが、たいてい標準語によせて話されているように思います。
ということで、双方が歩み寄って標準語(っぽい話し方)で話す機会が、爆発的に増えました。
また、日本語を話す外国人の同僚なども居て、この場合は、できる限り
で話すようにしました。
そんなこんなで、標準語をマスターした(と思っている)わけですが、逆にこれがクセづいてしまい、最近は、相手がバリバリの地元の人で、関西弁で話しているにも関わらず、こちらは標準語で話し
ご出身はどちらですか?
なんて聞かれてしまうこともあります。
特に、正確に伝えようという気持ちが強いと、自然と標準語になってしまいます。
そういうわけで私は、相手や状況に応じて、または、必要以上に
です。
以上、標準語を使うことについて書いてきましたが、決して
と言っているのではありません。
方言だって魅力的
税理士は、仕事のひとつとして、税理士向けの研修の講師をすることがあります。
その講師で大人気の方がいて、私も大ファンです。
軽快な関西弁で進められるその方の研修は、毎回
何時間でも聞いていられるね!
と思います。
もちろん、内容が面白いからでもあります。
けれど、税理士向けの研修ですので、漢字ばかりの長い正式名称が出てきたり、条文を読み解いたりすることもあります。
他の方だと
1時間でおなかいっぱい…。
となることがよくあるのですが、この方のお話は、とにかく耳心地が良く、ずっと集中して聞き続けることができます。
当然、おしゃべりがお上手なのだと思います。
声が良いのかもしれません。
でも何か、それだけではないような気がして
アルファ波!?
魔法!?
マインドコントロール!?
と不思議に思ったりもするのですが、初めに書いた
も理由のひとつではないかなと思っています。
私は関西弁のネイティブですので、他の地域の方がどのように感じるかはわかりませんが、この方の研修が標準語だったとしたら、ここまで夢中にならなかったかもしれません。
他にも、旅行では旅先の方言を聞くことも楽しみのひとつですし、お気に入りの方言もたくさんあります。
話す人が居なくなって、方言が無くなってしまうことはとても悲しいです。
標準語を話す必要がある方は
のバイリンガルで居続けられると良いですね。
標準語を使った方が良いとき
以上のように、結論は
伝われば、標準語でも方言でも、どっちだっていい。
なのですが、ひとつだけ
と思うケースがあります。
それは
と話すときです。
外国人であることに気づかないくらいペラペラの方もいらっしゃいますし
方言が聞きたいんです!
という方もいるかもしれません。
でも、特に何か指定されない限り
には、標準語で話す方が親切だと思います。
逆の立場で経験があるのですが、ドイツのKölnに住んでいたときのことです。
まだ、街中で面と向かって話しても、聞き取れないことが多々ある状況なのに、北部に住むドイツ人の友人に電話をすることにしました。
電話ってハードル高いんだよね…。
表情やジェスチャーが見えない(または見せられない)状態で、音声のみで外国語を話すことは、どちらかというと難易度が高いです。
しかも、見えていても通じないことが多々あるレベルで、なかなかのチャレンジャーです。(笑)
でもそこは友人なので、もし会話が成り立たなかったら
「またメールする。」とかなんとか言って、切っちゃえばいっかー。
と、軽い気持ちで電話してみました。
すると
なんかめっちゃわかるんだけど…。
彼女の話すドイツ語が、スラスラと入ってきて、びっくりするぐらい会話が弾みました。
彼女に、普段は全然聞き取れないのに
あなたの言ってることめっちゃわかるー!
と伝えると
私(北部の人)は、アクセント(訛り)が無いからかもしれないね。
と言っていました。
Kölnは、地元の訛りがありますし、ドイツ語がネイティブでない人もたくさん暮らしています。
一方、北部の発音は、外国語としてドイツ語を学ぶ際の教材として、広く採用されている話し方だそうです。
私はドイツに行く前に、日本で、NHKの語学講座と、街中のドイツ語教室にかよっていました。
NHKの講座は、おそらく北部の話し方だったのだと思います。
そしてかよっていたドイツ語教室の先生は、彼女と同じ北部のご出身でした。
もちろん、彼女との信頼関係や、彼女が私のドイツ語力をある程度把握していたこと、また、お互いに親しみのある内容について、分かり合おうという気持ちで話していたことなど、会話が弾んだ理由の大部分は、発音とは関係ないのかもしれません。
でもそれを差し引いても、あのときの彼女のドイツ語は
めちゃくちゃ聞き取りやすかったんです!
Kölnの訛りは、Münchenなどに比べると、それほど大したものではないと思います。
それでも、ちょっとした違いで、聞き取るのが難しくなっていたのかもしれないですね。
同じように、日本語の母語話者である私たちにとっては些細なことだったとしても、外国語として日本語を話す方にとっては、わかりづらいことがあります。
でもそんなのわからないよー。
そんなあなたに
めっちゃいいものがあります!
文化庁と出入国在留管理庁が作成した
のガイドラインです。
それぞれの市町村で、独自の取り組みをしている場合もありますので、活用できるといいですね。
おわりに
複数の話し方を操る私が
について、どのように考えているのかを、ご紹介しました。
ずっと同じ話し方で
生涯、純粋なモノリンガルです!
という方は、出稼ぎに行かなくても、同じ場所で穏やかに暮らし続けることができている、幸せな方なのかもしれません。
今後は
もマスターして
の4つのマルチリンガルになりたいと思います。